空を超えて宇宙空間での活躍が期待される
そして「シティターボII ブルドッグの再来か」と騒がれているのが、2025年6月のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでカモフラージュを施されて走った「Super ONE Prototype」。N-ONE e:ベースの新型BEVとして注目を浴びているが、JMS2025では偽装解除モデルが登場した。
軽量・高剛性のプラットフォームを活用して軽快でキビキビした走行性能を実現。左右に張り出したブリスターフェンダーによってワイドスタンスと安定感あるデザインとしている。また、専用開発されたという「BOOSTモード」ではモーター出力を高めて走行性能の向上を図るとともに、仮想の有段シフト制御を導入。擬似排気音やモーター制御による擬似シフトショックなどを再現することにより、視覚・聴覚・触覚(加速感や振動)でドライバーの感性を刺激、BEVの新たな楽しみを提供するとしている。2026年に日本や英国、アジア各国で小型車として販売をスタートするという。

軽自動車として販売されているN-ONE e:をベースに、ブリスターフェンダーを装着しているため、小型車として日本で販売される予定だというスーパーONEのプロトタイプ。
このほかにも未来の電動バイク「EV OUTLIER(EVアウトライヤー)」や電動アシストシステムを搭載したマウンテンバイクの市販予定車両「e-MTB Prototype」(2026年に欧州発売)、大型船外機の「BF350」など、幅広いモビリティを展開するホンダらしい出展物が展開される。中でも個性的なのが「サステナブルロケット実験機」の実物展示だ。
ホンダは2021年に宇宙開発に着手し、これまで製品開発で培ってきた燃焼技術や制御技術など自社のコア技術を活かしてロケットの開発に取り組んできた。ひとことでロケットとはいえ、ホンダのそれは再使用可能な機体と、再生可能燃料を活用した環境負荷の低い再使用型ロケット(RLV)で、打ち上げコストの大幅低減にも寄与する可能性が高いとして注目されている。
そんななかでホンダはロケット再使用技術の実証を目的に、発射・着陸実験を実施。結果として高度271.4m、着地位置の誤差37cm、飛行時間56.6秒を記録して成功を収めたのだが、今回展示されるのはまさにこの実験機だ。汚れもあえて残しているという。全長6.3m、直径0.85m、総重量1312kgの巨体を見られる珍しい機会となりそうだ。

