英国から未来へ~ベントレーが描く新時代のグランドツアラー~
それから8年、スーパースポーツは単なるハイパワー化の方向から大きく舵を切った。新型では“軽さ”と“後輪駆動”という、真逆のベクトルに価値を見出したのだ。これはブランドが掲げる「Beyond100+」戦略~サステナブルで革新的な高級モビリティへと変貌する方針~とも呼応している。
出力や速度の数字よりも、ドライバーが操る歓びに焦点を当てた再定義こそ、100年の節目にふさわしい“スーパースポーツ”像といえるだろう。

カーボン調パネルとレッドアクセントがスポーティな緊張感を演出。ラグジュアリーと機能美が共存するコクピット。
生産拠点はこれまで通り英国クルーの本社工場で、職人によるクラフトマンシップと最新技術の融合が行われる。ベントレーは現在、電動化と持続可能性を軸とした「Beyond100+」戦略を進行中であり、2030年代初頭には全モデルを電動化する方針を示している。
そうした流れの中で、あえて内燃エンジンの純粋な魅力を極めたスーパースポーツを送り出すのは、ベントレーが「ドライビングラグジュアリー」の原点を再確認するためだろう。単なる過去の復刻ではなく、クラフトとパフォーマンスを未来へつなぐ意思の表明でもある。

ダイヤモンドキルトのレザーとコントラストステッチが織りなす艶やかな空間。ベントレーらしい職人技が息づく。
100年の歴史を持つベントレーが再び“スーパースポーツ”の名を掲げた背景には、単なる性能競争ではなく、「走る歓びを極める」という原点への回帰がある。
初のFR化と軽量化という大胆な変革を通じて、コンチネンタルGTは新たな時代にふさわしいドライバーズGTへと生まれ変わる。
2017年モデルが“パワーの象徴”だったとすれば、2025年モデルは“純度の象徴”だ。ニューヨークでの正式発表が、ベントレーの新しい夜明けを告げる瞬間となるに違いない。

精悍なブラックメッシュグリルと4灯ヘッドライトが迫力を放つ。山岳路で見せる走りはまさにGTの王者。

