2025年に節目となる「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。その記念すべき年に合わせてモーターマガジン社から発行されたムック「VW ゴルフ クロニクル vol.2」から、見どころの一部をご紹介しよう。今回はMotor Magazine誌1995年8月号に掲載された、3代目ゴルフをベースにした初となるゴルフ ワゴンの日本での試乗記をお届けする。

本国では1993年秋にデビュー。価格のアップは許容範囲内

画像: 急速に台頭したワゴンマーケットを巡る熾烈な争いの中、大き過ぎないボディと広い室内、乗用車ライクな装備と足回りで市場に大きな一石を投じたゴルフ ワゴン。

急速に台頭したワゴンマーケットを巡る熾烈な争いの中、大き過ぎないボディと広い室内、乗用車ライクな装備と足回りで市場に大きな一石を投じたゴルフ ワゴン。

今回ゴルフに新たに追加されたワゴンは、ドイツではバリアントと呼ばれるモデル。本国ではとうに発表を終えており、ヨーロッパ全域でかなりの頻度で目撃できる人気車だ。

日本でもRVブームから派生したワゴン人気が高まっているので、本来ならもう少し早い時期に導入されても良かったのだが、VWはこの上にパサート・バリアントがあり、インポーターとしてはまずはこちらの定着をと考えたのだろう。ゴルフに限り日本国内でバリアントの名を使わないのも、もしかしたらこうした背景が関係しているのかも知れない。

理由はともかく日本ではゴルフ ワゴンと呼ばれることになったこのクルマは、既存の2ボックスモデルと同じA型プラットフォームを使い、リアオーバーハングを延長してワゴンボディを成立させている。ハッチバックよりも全長を32cm拡大しているわけだが、このすべてがオーバーハング分なのだから単純といえば単純。もっとも同じ手法でセダンであるヴェントを作るVWにとってはそれほど特別なことではないのだろう。

画像: ハッチバックモデルのGLiに搭載されるものと同一の2lL直列4気筒SOHCユニット。ロングストローク独特の粘り強さが特徴だ。

ハッチバックモデルのGLiに搭載されるものと同一の2lL直列4気筒SOHCユニット。ロングストローク独特の粘り強さが特徴だ。

GLiのエンブレムがリアに付くのを見てもわかるように、ゴルフ ワゴンのパワーユニットはハッチバックのGLiと同じ2L直4SOHC。115ps/5400rpm、16・6kgm/2600rpmのパワースペックもまったく同一だ。

ハッチバックと異なるのは、マニュアルミッションは設定されず全車4速ATとなること、フロントシートがVR6と同じスポーツタイプとなること、そしてアルミホイールが標準装備となること。また、タイヤサイズも185から195へと1サイズアップされている。

他の快適/安全装備などは基本的に共通で、価格は4ドアGLiの14万円アップに過ぎない288万円(東京地区本体希望価格)。ゴルフは全体的に安いとは言いかねる価格設定だが、ワゴン化に伴う価格アップが存外少なかったのは朗報である。

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