2025年に節目となる「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。その記念すべき年に合わせてモーターマガジン社から発行されたムック「VW ゴルフ クロニクル vol.2」から、見どころの一部をご紹介しよう。今回はMotor Magazine誌1995年8月号に掲載された、3代目ゴルフをベースにした初となるゴルフ ワゴンの日本での試乗記をお届けする。

ラゲッジルームは広さ、使い勝手ともに高いレベル

画像: 顔つきほど個性的ではないが、例によってメッキも少なくクリーンな雰囲気はVW流。ルーフレール、アルミホイールは標準装備。

顔つきほど個性的ではないが、例によってメッキも少なくクリーンな雰囲気はVW流。ルーフレール、アルミホイールは標準装備。

堅実な実用車であるゴルフは、与えられたサイズの中で最大限のキャビンスペースを確保しているのが何よりの魅力。ただし基本となるハッチバックがあれだけ煮詰まったパッケージングだと、これをベースにワゴンを作ったと聞いても簡単に「ハイそうですか」とは納得できない。

しかし現実に目の前にあるゴルフ ワゴンは上手いまとまりを見せている。確かにリアホイールから後ろがかなり長いが、元々ハッチバックはかなりのショートオーバーハングだから、この程度なら違和感はない。また、ボディ後半の絞り込みを生かした造形のためテールエンドが重い感じがしない。見ようによっては軽快な印象すら受けるほど。

とは言っても、やはりゴルフはゴルフ。基本的なたたずまいはあくまでもビジネスライク。日本では半ば“お約束”と化したルーフレールが付くのが、唯一のRV的演出である。

画像: ゴルフに比べて約32cm長くした分、奥行きも十分なラゲッジスペース。いかにも頑丈そうなパーティションネットはその反面、取り外しにくい。床面はフラットに最後部まで続くので掃除はしやすい。

ゴルフに比べて約32cm長くした分、奥行きも十分なラゲッジスペース。いかにも頑丈そうなパーティションネットはその反面、取り外しにくい。床面はフラットに最後部まで続くので掃除はしやすい。

さて注目のラゲッジスペースだが、この辺は実用一直線の造りの面目躍如たるところで、かなりの広さを確保している。形式は他車と同じトレーリングアームながら形状を小変更したリアサスペンションにより、タイヤハウスの張り出しは控えめ。フロアの奥行きに関してはライバル車と比べても非常に長い値を実現していた。

絞り込みの効いたデザインのせいか幅はさほどないが、前述したタイヤハウスの張り出しの小ささが効いており実際に活用できる有効面積が大きい。またカートリッジ式(左右のレールに数本のシャフトをスライドさせる方式、取り外しも可能)のラゲッジコンパートメントカバーや、レストレイニングネットが標準装備されているのも親切だ。

もちろんキャビン空間はハッチバックのゴルフと遜色がなく、十分な広さを持っているし、リアシートアレンジも6:4のダブルフォールディングタイプで、いざとなれば完全にフラットな長いラゲッジルームを作り出すこともできる。この辺の使い勝手の良さはさすがだ。

なお、この種のクルマにとって積載性は大変重要な要素のように感じられるが、通常のファミリーユーザーが実際にワゴンへ荷物を目一杯詰め込んで使うケースというのは、年に数度くらいのものではないだろうか。ワゴンの日常での有用性とは、ホームセンターなどで大きなものを購入しても自宅まで持って帰れる可能性が高くなる。その程度に考えておいた方がいいのだ。(続きはムックにて……)

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