「日本上陸50周年」というアニバーサリーイヤーを2025年に迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。その記念すべき年に合わせてモーターマガジン社からムック「VW ゴルフ クロニクル」をVol.1、Vol.2、Vol.3と合計3巻発行した。今回は、9月27日に発売したVol.3から、Motor Magazine誌2005年7月号に掲載された5代目ゴルフ、そのGTIを日本で試乗した記事をご紹介しよう。
ポールリカールで感動した、GTIの足回りの仕上がり
5代目GTI。VWはこのクルマで再び神話を復活させようとしている。そのことは南仏のポールリカール・サーキットで開催された国際試乗会で嫌と言うほど感じさせられた。
バンパーのインレットとグリル部分がつながった、独特のフロントマスク。初めてのGTI専用グリルに、ゴルフの本気が見て取れる。
コントロールタワーは巨大なGTIの垂れ幕で覆われ、中に入ると「GTI is Back」のサインがそこここに。試乗車には豊富に用意された新型に混ざって、初代モデルまでが2台控えていた。これだけを見ても、狙いがGTIブランドの再訴求にあるのは明らかだと言えるだろう。
自らの歴史をセルフカバーするという売り方は、ニュービートルなどの実例を挙げるまでもなく数多くある。しかしそれらはいずれも、現代に送り出すと風変わりに映る「キャラもの」になるから成立することで、GTIのような「神話」とか「走り」といった本気モードの場合はどうなるんだろ。そういう心配がまずあった。
しかし、南仏のトリッキーなワインディングとポールリカールで試したゴルフVのGTIは、そんな心配を百万光年の彼方に吹き飛ばすほど魅力的なクルマに仕上がっていた。だから、その辺が日本の道でどうなのか、実はちょっと心配していたところもあった。
シートは”GTI is Back”を表現するチェック地が標準で、ステアリングは365ΦのDシェイプ。オプションとしてはレザーシート＝21万円、MMS＝24万6750円、サンルーフ=11万5600円を用意。通常350リットル、最大1305リットルというゴルフ流のスペースも持ち合わす。
