GTIの乗り心地の良さは日本の道でも再確認する

今回試乗した日本仕様のGTIは、225/45R17のコンチネンタル・コンチスポーツコンタクト2を履いていたが、路面へのアタリはマイルドで、南仏で試した17インチと印象は変わらない。
箱根で乗った日本仕様のGTIは、サスペンションは硬すぎず、しかしソフト過ぎることもない絶妙の味付け。新型BMW3シリーズもそうだったが、「スポーティなモデルは乗り心地が硬い」というのは、もう過去の話になりつつあると実感させられる。
ストロークはたっぷりとしており、ダンピングも強力で、GTIの足回りは路面をねっとりと包み込むような独特のグリップを味わせてくれる。
ブレーキングでノーズが沈み込む瞬間や、ロールの始まる初期に少しだけフワついた挙動が出るのが惜しいところではあるが、それと引き換えに、あの乗り心地とハンドリングの両立が達成されているのだとしたら、僕は迷わずGTIの味付けを支持したい。

ブレーキも強力だ。長めのペダルストロークの中で締め込むような微妙なコントロールができる。
さて、今度のゴルフGTIのもうひとつの魅力はパワートレーンにある。GTXで初お目見えとなったT-FSIエンジンは、すでにアウディA3/A4にも搭載されているので新鮮味はあまりないが、GTIというパッケージに使われることで、その魅力を再確認することとなった。
このエンジンの持ち味はターボらしからぬ柔軟性にある。スペック上では1800〜5000回転で最大トルクの28.6kgmを発生するとあるが、実際には2000回転以下で過給の立ち上がりを待つわずかなラグがある。しかし、その領域を過ぎてしまうと厚みのあるフラットなトルクが訪れ、しかもそれが高回転域まで絶えない。
今回は都内の渋滞から箱根のワインディングロードまで、じっくりとDSGを試せたため、新たな発見もあった。エンジンの項目で説明したように、2.0T-FSIにはわずかながら低回転域でのパワーの立ち上がりに待ちがある。
したがって静止からのスタートの時にアクセルペダルを全開にしたり、あるいは踏みかえたりしたような場面、DSGがクラッチを繋いだ直後にエンジンからドンとトルクが放出されると、ホイールスピンを誘発する荒いスタートになることがあった。アクセルペダル操作を多少ジェントルに行うように心掛ければ問題はないが、これはT-FSI+dsgの固有の現象だと思う。
それ以外の使い勝手はまったくイージー。ATと何ら違いはない。クリーピングにかわる半クラッチ制御を行うので、アイドリング領域での微妙な速度調節も十分に可能。(続きはムックにて……)







