2026年6月でアルピーヌA110が生産終了になることが決まった。次期型はBEVと言われているから、つまりこれが「最後の内燃エンジン搭載車」になる。そんな最終型A110のフルラインナップを試乗した。ブランド70周年の節目にA110が残した走る歓びをあらためて確かめる。(撮影:永元秀和)

メインはサーキットだけど公道でも楽しいR 70

画像: カーボンファイバー製パーツを多用して軽量化、さらにそのままサーキットを走れるような装備も用意するR70。やや過激な印象があるが、ワインディングロードでも思いのほか快適。性能は使い切れないが……。

カーボンファイバー製パーツを多用して軽量化、さらにそのままサーキットを走れるような装備も用意するR70。やや過激な印象があるが、ワインディングロードでも思いのほか快適。性能は使い切れないが……。

そして頂点に立つのが「R 70」。ボンネット、ルーフ、リアフード、リアスポイラー、ホイールに至るまでカーボンファイバー化され、徹底した軽量化が施されたピュアスポーツである。車重も最軽量の1090kg。フルバケットシートに6点式ハーネス、アジャスタブルレーシングダンパー、セミスリックタイヤまで標準装備し、そのままサーキットへ持ち込める仕様だ。

以前試乗したRは、たしかバックミラーすら非装備だったが、Rチュリニで追加されたデジタルミラーによって、日常領域での利便性と快適性は大きく向上した。

公道で持て余すほどのポテンシャルは、最高速285km/hという数字以上に速度が上がるほど路面に吸い付く安定感、そして研ぎ澄まされたステアリングフィールに表れる。これはもはやレーシングカーの領域。「最後の純内燃エンジンA110」を象徴するモデルであることに疑いはない。

もちろん公道のワインディングロードでは性能のすべてを発揮できない。しかし低い速度域でも片鱗は十分に味わえるし、サーキットでのタイムアタック性能を持ちながら普通に街乗りできる懐の深さには驚かされる(日々6点式ハーネスは少々厳しいが……)。

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