シビックやN-ONEなどに設定されて好評を獲得しているホンダの「RS」グレードが、ヴェゼル e:HEV RS(以下、ヴェゼルRS)として復活。専用デザインをまとい、全高が低く、ハイブリッドパワートレーンを搭載するコンパクトSUVを体感した。今回の試乗車はFFだが、初代になかった4WDがラインナップされていることもトピックのひとつだ。(写真:伊藤嘉啓)

走り出した瞬間にわかる、ハンドリングの気持ちよさ

ローダウンにともなってサスペンションのバネレートと、ダンパー減衰力の伸び側と縮み側の両方を高めるように調整されている。比較用に用意されたZ(FF)と乗り比べてみると、小さな段差や荒れた路面で感じられる突き上げ感は少し強まっているものの、乗り心地という面での差はわずかに抑えられている。接地感の高さを追求するために採用したというタイヤ、ミシュラン プライマシー4のコンフォートな特性が作用しているようにも感じられる。その反面、高速道路のジャンクションのようなコーナリングでは、どっしりとした安定感を感じられる走行性能を獲得していることも大きなポイントだ。

その一方、Zとの比較で印象が大きく違うのがハンドリングで、しっかりとした操舵感と直進安定性の高さがあるということ。ステアリングギア比やハンドル径などはそのままに、電動パワーステアリングのソフトウエアを書き換えることで、操舵初期の手応えを感じやすくしているという。

画像: ハンドルやシートのステッチ、ドアやインパネのガーニッシュなど、小さなカラーアクセントがインテリアに散りばめられる。

ハンドルやシートのステッチ、ドアやインパネのガーニッシュなど、小さなカラーアクセントがインテリアに散りばめられる。

交差点での右左折でも高速道路での車線変更でも気持ちの良い操縦性を体感できるのだが、アシスト力を変更したのはあくまで操舵初期だけ。車庫入れやUターンのように大きく転舵するようなシーンでのハンドリングは軽やかで、Zと同様の扱いやすさがあるから嬉しい。老若男女、幅広い層から支持を受けるヴェゼルらしいセッティングと言えそうだ。

RSという名称からスポーツモデルを連想してしまいがちだが、ヴェゼルRSが持つ走行性能や乗り心地の良さ、そして2024年4月のマイナーチェンジで得た静粛性など、快適性と走行安定性の高さが「ロードセーリングらしい走り」なのではないだろうか。

これに加えて、今回、比較のために試乗した「Z」の良さをあらためて実感した。RSのドライブフィールは確かに気持ちが良い。がしかし、Zもそれに肉薄するほどの性能を持ち合わせている。あとはデザインや車両価格などと相談することになるだろう。

ホンダ ヴェゼル e:HEV RS 主要諸元

●全長×全幅×全高:4385×1790×1545mm
●ホイールベース:2610mm
●車両重量:1380kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:78kW(106ps)/6000-6400rpm
●最大トルク:127Nm/4500-5000rpm
●モーター最高出力:96kW(131ps)/4000-8000rpm
●モーター最大トルク:253Nm/0-3500rpm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:レギュラー・40L
●WLTCモード燃費:25.4km/L
●タイヤサイズ:225/50R18
●車両価格(税込):374万8800円

This article is a sponsored article by
''.