トヨタは2025年12月17日、RAV4をフルモデルチェンジし発売を開始した。6代目となる新型は「Life is an Adventure」をテーマに掲げ、「多様化」「電動化」「知能化」という3つのキーワードで全面刷新を受けた。HEVを主軸に、PHEVやGR SPORTの追加も予定されており、RAV4は単なる人気SUVから「次世代SUVの基準」へと進化を遂げている。

電動化×知能化が変えたのは「性能」ではなく「体験の質」

新型RAV4の進化を語るうえで、電動化と知能化は単なるトレンド対応ではない。トヨタはこのモデルを通じて、「SUVの体験価値そのものを更新する」ことを明確に狙っている。

画像: 新型RAV4は悪路での走破性を向上させて、本格SUVとしての資質を感じさせる。

新型RAV4は悪路での走破性を向上させて、本格SUVとしての資質を感じさせる。

パワートレーンの中核を担うのは、新世代ハイブリッドシステムだ。2.5L直列4気筒エンジンと高出力モーターを組み合わせ、システム最高出力240psを発揮する。

数値だけを見れば突出しているわけではないが、重要なのは制御の質である。電動化によるシームレスな加速感は、街中では扱いやすく、高速域では余裕を感じさせるものとなった。

画像: 2.5Lエンジンと前後モーターを組み合わせたE-Fourのカットモデル。電動制御4WDにより、滑りやすい路面でも確かな走りを支える。

2.5Lエンジンと前後モーターを組み合わせたE-Fourのカットモデル。電動制御4WDにより、滑りやすい路面でも確かな走りを支える。

さらにE-Four(電気式4WD)は、前後輪の駆動力配分を100:0から20:80まで緻密に制御。舗装路での安定性と、悪路や雪道での脱出性を高次元で両立している。

TRAILモードやSNOWモードでは、空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側にトルクを配分する制御を行い、RAV4が「本物のSUV」であることを改めて示している。

画像: TRAILモードは空転輪に制動をかけて駆動力を配分し、SNOWモードは4輪を均等制御。路面状況に応じて安定性と走破性を高める。

TRAILモードは空転輪に制動をかけて駆動力を配分し、SNOWモードは4輪を均等制御。路面状況に応じて安定性と走破性を高める。

そして新型RAV4を象徴するのが、ソフトウェア開発基盤「Arene(アリーン)」の初採用である。進化したToyota Safety Senseやマルチメディアは、Areneを前提に設計され、将来的な機能アップデートを見据えた構成となった。

プリクラッシュセーフティの作動領域拡大や、認識性能を高めたレーダークルーズコントロール、ドライバー異常時対応システムの路肩寄せ機能などは、その一端に過ぎない。

RAV4はトヨタにとってSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)時代の“出発点”であり、「購入後も進化するクルマ」という新しい前提を、量販SUVで初めて本格的に持ち込んだ存在だ。

電動化と知能化によって新型RAV4が手に入れたのは、単なる高性能ではない。環境性能、走行安定性、安全性、快適性が一体となった「使えば使うほど納得感が増す体験価値」である。その完成度の高さこそが、新型RAV4を“次世代SUV”と呼ぶにふさわしい理由なのだ。

画像: 横断歩行者を検知し、警報とブレーキで衝突回避を支援。進化したToyota Safety Senseが市街地での安心感を高める。

横断歩行者を検知し、警報とブレーキで衝突回避を支援。進化したToyota Safety Senseが市街地での安心感を高める。

画像: 大型ディスプレイによりナビや車両設定を直感的に操作可能。視認性と操作性を高め、走行中の負担軽減にも貢献する。

大型ディスプレイによりナビや車両設定を直感的に操作可能。視認性と操作性を高め、走行中の負担軽減にも貢献する。

画像: 設定速度を維持しつつ前走車に追従。渋滞や高速巡航時の運転負荷を軽減し、長距離移動を快適にする。

設定速度を維持しつつ前走車に追従。渋滞や高速巡航時の運転負荷を軽減し、長距離移動を快適にする。

そして注目すべきは、今後追加予定の「PHEV」と「GR SPORT」の存在だ。PHEVは、日常の多くをEV走行でカバーしつつ、長距離や悪路ではエンジンの安心感を活かすという、RAV4の使われ方に即した選択肢となる。

一方、GR SPORTはRAV4に“走りを語る資格”を与えるモデルだ。単なる外装加飾ではなく、シャシや制御を含めた走行性能の作り込みが前提となっており、RAV4のキャラクターをさらに広げる役割を担う。

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