トヨタは2025年12月17日、RAV4をフルモデルチェンジし発売を開始した。6代目となる新型は「Life is an Adventure」をテーマに掲げ、「多様化」「電動化」「知能化」という3つのキーワードで全面刷新を受けた。HEVを主軸に、PHEVやGR SPORTの追加も予定されており、RAV4は単なる人気SUVから「次世代SUVの基準」へと進化を遂げている。
「高いSUV」ではない。SUVの基準を引き上げる存在だ
新型RAV4の車両価格は、Adventureで450万円から、Zでは490万円に達する。従来のRAV4を知る層や、ミドルサイズSUVに「コスパ」を求めてきたユーザーにとっては、率直に言って安くはない数字だ。しかし、この価格設定を単純に「値上げ」と捉えるのは適切ではない。

ZとAdventureを中心に、多彩な仕様を展開する新型RAV4。デザインとキャラクターの違いが、SUVの多様化を明確に物語る。
新型RAV4は、電動化による走りの質、安全・先進装備の高度化、さらには将来的なソフトウェアアップデートまでを含めて価値を構成している。Areneを前提としたSDV的な設計思想は、「買った瞬間が完成形」という従来のクルマ観を根底から変えるものだ。購入時点では見えにくいが、使い続けることで価値が積み重なっていくに違いない。
SUV市場が成熟し、単なる新型投入では話題になりにくい時代にあって、新型RAV4は“変わる理由”を明確に提示してきた。多様化という名のもとにキャラクターを分け、電動化と知能化を前提に設計思想を組み替えた。その姿勢は、売れ筋SUVであり続けること以上に、「これからのSUVはこうあるべきだ」というメッセージ性を重視した結果といえるだろう。
【RAV4】LOVE FOREVER篇 30秒
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