2025年にフォルクスワーゲン ゴルフが「日本上陸50周年」を迎えたのに合わせて、モーターマガジン社ではムック「VW ゴルフ クロニクル」をVol.1、Vol.2、Vol.3の合計3巻を発行した。そのVol.3(2025年9月27日発売)の中から、5代目ゴルフに新しく追加されたツインチャージャー機構を備える1.4TSIエンジン搭載のGT TSIに焦点を当てた試乗記事(Motor Magazine誌2007年3月号に掲載)からの一部分をご覧いただこう。

ゴルフGT TSIとはどういう存在なのか?

画像: 1.4L TSIエンジンは170ps/240Nm。車両重量は前890kg+後520kg=1410kgと、2.0FSIよりもややエンジンが重いようだ。

1.4L TSIエンジンは170ps/240Nm。車両重量は前890kg+後520kg=1410kgと、2.0FSIよりもややエンジンが重いようだ。

1.4Lという小排気量のガソリン直噴FSIエンジンに、スーパーチャージャーとターボチャージャーの2つの過給器を組み合わせ、大出力/高トルクと低燃費を両立させた、と言われるこの新しいパワーユニットに、知的好奇心を刺激されている方はかなり多いのではないだろうか。

僕自身その中のひとりなのだが、正直に告白すれば、その効能を額面通りに受け取れない気持ちもどこかにある。まず過給エンジンで省燃費というのがどうもしっくり来ない。パワーが稼げるのは確かだろうが、同時に燃費も落ちるというイメージをぬぐえない。ターボとエコは相容れないものというイメージが僕の中で鮮やかに蘇るのである。

さらにもうひとつ、過給エンジンでどれだけリニアリティのあるパワーフィールが実現できているかという点も実に興味深い。

しかしそんなことは開発したフォルクスワーゲンも先刻承知のはず。過給器が持つこうした命題をクリアし、さらに付加物が増えることによるコスト上昇を考えてもなおメリットがあると判断したからこそ、このTSIが開発されたのは間違いない。

たかが1.4Lという先入観は、アクセルひと踏みで吹き飛ぶ

画像: GT TSIの性格はどちらかというとGTIに近い。その走り味もさることながら、性能的に見てもGTIに迫るものがある。GT TSIとGTIのパワー差は30ps。

GT TSIの性格はどちらかというとGTIに近い。その走り味もさることながら、性能的に見てもGTIに迫るものがある。GT TSIとGTIのパワー差は30ps。

ともかく走らせてみよう。アイドリングはピタリと安定しており、当たり前だがこの辺でTSIエンジンに特別な何かを感じることはない。

驚くのはその先。GTIとは異なる四角いノブのDSGをDレンジに入れてアクセルペダルを踏むと、1.4L+過給器という先入観を見事に覆す強力な低速トルクが訪れたのである。

このエンジンは低回転域から非常に力強い。トルクの立ち上がりが鋭く、しかも強力なのだ。素の1.4Lではまずあり得ない動力性能だから、これが過給によるものであるのは明白。ちなみにクランクシャフトの5倍速で駆動されるスーパーチャージャーはアイドリングに近い領域から過給を開始しており、1250rpmからすでに200Nmというトルクを発生している。

回転が上がって排出ガスの流量が増えてくると、ターボによる過給に徐々にスイッチ。走行状態にもよるが、2400rpmを超えるとターボが主体となり、3500rpm以上では電磁クラッチを切り離すことでスーパーチャージャーの駆動を止め、パワーロスを防ぐ。

レブリミットは7000rpmとかなり高めの設定。最大トルクの240Nmは1500rpmから5000rpmまで。つまりフラットトルクで扱いやすい性格だが、回していくとリミットを簡単に越えるほど積極的に回り、かなりスポーティな趣も感じさせる。

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