日産が2026年1月29日、55kWhバッテリーを搭載した新型リーフの「B5」シリーズを発表した。次世代クロスオーバーBEVとして刷新された3代目リーフに、航続距離と価格のバランスを重視した新たな主力仕様が加わったことになる。

「元祖量産EV」がクロスオーバーへ進化した意味

すでに発表されている3代目新型リーフは、単なるモデルチェンジ車ではない。2010年に登場し、量産電気自動車という市場そのものを切り拓いた初代から15年、リーフはついに「クロスオーバーBEV」という新たな姿に進化したクルマである。

低重心の電動車らしい走りを核にしながら、日常用途に配慮した室内設計、使いやすいパッケージ、そして日常とレジャーを両立するスタイルを手に入れた。つまり新型は、これまでの「EV専用ハッチバック」ではなく、「家族の生活車として選ばれるBEV」へとポジションを広げた存在だ。

画像: クーペのように流れるルーフラインと張り出したフェンダーが、従来型リーフとは異なるクロスオーバーらしい力強いシルエットを形作っている。

クーペのように流れるルーフラインと張り出したフェンダーが、従来型リーフとは異なるクロスオーバーらしい力強いシルエットを形作っている。

新たに追加されたB5は55kWhバッテリーを搭載し、WLTCモードで最大521kmの航続距離を実現する。これは通勤、買い物、週末の遠出までを十分にカバーできる数値であり、過剰でも不足でもない絶妙な設定だ。

最高出力130kW、最大トルク345Nmのモーター性能は上位グレードと共通で、BEVらしい静粛性と力強い加速もそのまま享受できる。

車体寸法は全長4360mm、ホイールベース2690mmと取り回しと室内空間のバランスが良く、最小回転半径は5.3mに抑えられている。

価格は438万9000円からと、航続重視のB7より手が届きやすい設定だ。つまりB5は「性能を削った廉価版」ではなく、使い方に最適化した実用グレードである。

長距離派のB7、日常派のB5~日産のBEV戦略が見える~

画像: 横一線に広がるデジタルパネル表示と物理スイッチを整理した操作系が、先進性と直感的な扱いやすさを両立させたコクピット。

横一線に広がるデジタルパネル表示と物理スイッチを整理した操作系が、先進性と直感的な扱いやすさを両立させたコクピット。

今回追加されたB5は、単一グレードではなくS/X/Gの3グレード展開となる。

エントリーの「B5 S」は438万9000円で、まず新型リーフの基本性能を手に入れるための入口となる存在だ。中核の「B5 X」(473万8800円)は、日常の快適性や装備バランスを整えた実質的な主力と位置付けられる。最上位の「B5 G」(564万8500円)は、上質さや満足感を重視する層に向けた仕立てで、B5という枠の中でも上質装備を重視した選択肢になる。

つまりB5は、航続距離だけでなく、予算・装備・価値観の違いまで吸収するために3段階で用意されたシリーズなのである。

画像: 後席の頭上空間や足元の広さ、荷室容量はクラス内で標準的なレベルだが、着座姿勢と視界に配慮したレイアウトで日常使用の快適性を確保している。

後席の頭上空間や足元の広さ、荷室容量はクラス内で標準的なレベルだが、着座姿勢と視界に配慮したレイアウトで日常使用の快適性を確保している。

その上で日産はすでに78kWhバッテリーを搭載するB7を用意している。こちらは長距離移動や高速道路主体の使い方を想定した仕様だ。一方でB5は、日々の移動を中心とするユーザーに向けた「現実的なBEV」。

この2本立ては、BEV選びが「最大航続距離競争」から「使い方別最適化」へ移行していることを示している。電動車はバッテリーが大きいほど良い、という単純な話ではない。

車両重量、価格、充電時間、日常の使い勝手、そのバランスを取った結果がB5であり、日産はここで「生活BEV」という立ち位置を明確にしたのである。

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