1989年に登場したマツダのスポーツカー、ロードスター。登場から35年以上を経た今もなお多くの人に支持されている。ライトウエイトスポーツカーのお手本であり続けている現行型に改めて試乗し、愛され続ける理由を探ってみた。(Motor Magazine 2025年4月号より。文:渡辺敏史/写真:永元秀和)

アップデートが施されて前期型と何が変わったか

その1.5L版ロードスターは2023年末のマイナーチェンジでサイバーセキュリティなどの法規対応のために電子アーキテクチャーを一新、それに伴って一部グレードにはスマホ連携にも対応する8.8インチのセンターディスプレイが採用されたほか、いわゆるACCの搭載やスマートブレーキサポートの強化など、ADAS回りの性能向上を果たした。

動的面では一部グレードに減速時の作動制限を強化して姿勢変化を抑えるアシンメトリックLSDの採用や、DSCをスピンモーション直近で作動させることによりスポーツ走行時の選択幅が広がるDSCトラックモードの追加、さらには全グレードでラック摺動摩擦を抑えた電動パワステのシステム変更、燃焼マップをオクタン価100のガソリンにきっちり合わせ込むことでのアウトプット向上などを果たしている。

画像: 現行型では3眼式のメーターを採用。右から速度計、回転計、カラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイと並ぶ。エアコンの操作スイッチや吹き出し口も円形で統一されている。

現行型では3眼式のメーターを採用。右から速度計、回転計、カラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイと並ぶ。エアコンの操作スイッチや吹き出し口も円形で統一されている。

走り始めから伝わりくる軽快感という点では、改良前のモデルの方がわかりやすかったかもしれない。かといって、それは20kgほど増した重量増が影響しているわけでもないように感じられる。むしろ効いているのはゲインの立ち上がりがより微小な操舵量でよりリニアに立ち上がるようになったことによる印象差だろう。対すれば前型は立ち上がりに少し角が立つ感触なぶん、クイックに動いているようにも錯覚する。

パワー的な伸びしろは乗る限りは感じられないが、中間域でのトルクの厚みは前型よりも確実に増していて、それはたとえば高速道路の登坂路をシフトダウンしたくなるかアクセルペダルだけで走る気になるか・・・くらいの差異として現れている。加えて回転の上がりだけではなく落ちの側も素早くなり、素早いシフト操作にもエンジンの側がしっかり追従してくれるようになった。いずれも、走りの気持ちよさにしっかり繋がっている。

画像: 制動時にアンチリフト力を発するリアサスペンションに合わせて、旋回時に後輪内側のブレーキをわずかにかけて姿勢を制御するKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)を採用するなど、人馬一体感を高める技術が採用されている。

制動時にアンチリフト力を発するリアサスペンションに合わせて、旋回時に後輪内側のブレーキをわずかにかけて姿勢を制御するKPC(キネマティック・ポスチャー・コントロール)を採用するなど、人馬一体感を高める技術が採用されている。

これらの改良によって、ドライバーの操作が車体の振る舞いに逐一再現されるというロードスターのドライビングカーとしての個性及び美点は、より高精細な域に達したと思う。一方で、アクセルオフ時に減速姿勢をアクティブに安定化させるようなデバイスも加わり、御しやすさなども確実に前進しているのが現行のロードスターの新しさといえるだろう。

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