その美しさや強い個性において右に出るものはないフランス発のCセグメントハッチたち。なかでも興味深いのはプジョー 308 GT ハイブリッドとDSオートモビル DS4 Eテンスの2台。なぜかといえば、まったく姿の異なる2台に積まれるパワートレーンがまったく同じPHEVシステムだからである。ではその両車にそれぞれらしい違いや魅力はあるのだろうか。味比べをしてみよう。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:渡辺敏史、写真:永元秀和)

同じパワーユニットながらDS4はより上質な仕立て

プジョーでいうビークルダイナミクスのようなセリングポイントについては、DSの場合は俄然わかりやすい。彼らが掲げるのは「サヴォア・フェール」つまり、フランス流のセンスやクラフツマンシップを全力で表現することだ。

エクステリアもともあれ、その力点はインテリアにある。ダイヤカット的なテクスチャーが随所に散りばめられた内装の造作は、ほかの2ブランドとの共通項をきっちり封じ込めていて興ざめすることがない。その世界観を貫いているのはトリムの素材やフィニッシュも然りで、その徹底ぶりはレクサスもかくやと思わせる。

画像: プジョー 308 GTハイブリッド。外部給電が可能なプラグインハイブリッドモデル。満充電で最大71kmのEV走行ができる大容量バッテリーを搭載する。

プジョー 308 GTハイブリッド。外部給電が可能なプラグインハイブリッドモデル。満充電で最大71kmのEV走行ができる大容量バッテリーを搭載する。

第二次大戦前のフランスは、綺羅星のようなクルマを数多く輩出してきた。ブガッティは言うに及ばずだが、ドゥライエやドラージュなどオートクチュールボディを纏ったそれは、世界に冠たるラグジュアリーカーだったわけだ。戦後、そのプライドはファセルなどが継承するが、他国銘柄の台頭や自動車産業を取り巻く環境変化の波に堪えきれず、その命脈は絶たれることとなった。DSはあの頃のとんでもなく高尚なフランス車の輝きをエッセンスとして現代的に表現しているのだろう。

今回の取材車のパワートレーンは共にPHEVだったが、DS4の側は、その上質感を引き立てる役割を果たしていた。110ps/320Nmの駆動モーターは十分な力感で135km/hまでの速度域をカバーする一方、12.4kWhのバッテリー容量でWLTC値で70km前後、実質で50km前後の航続距離も備えている。つまり、日常使いのほとんどはBEV同様の静かさや滑らかさでもってこなせるわけだ。有り体にいえば小さな高級車としての期待をパワートレーンがこの上なく支えている。

画像: DSオートモビル DS 4 リヴォリ Eテンス。1.6L直4ターボエンジンに12.4kWhの大容量バッテリーを搭載することで、Cセグメントハッチながら車両重量は1730kgに達する。

DSオートモビル DS 4 リヴォリ Eテンス。1.6L直4ターボエンジンに12.4kWhの大容量バッテリーを搭載することで、Cセグメントハッチながら車両重量は1730kgに達する。

そこに輪をかけて動的質感を高めるのが、サーフェススキャンの可変ダンピングシステムも備える足まわりだ。乗り心地的にはシトロエンのCセグメント、C4ほどのあからさまなオマージュ感はなくも、ふわりと優しい路面タッチや意気揚々と伸縮するバネ下など、いにしえのフランス車の個性を現代的に解釈している。

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