人と荷物を多く積んでも安定して快適に走れる
走りの面でも、アウトドアで活躍するエステートに相応しい性能が目標として掲げられた。そのひとつが「どっしりとまっすぐ走る」直進安定性で、これは電動パワーステアリングの味付けを工夫したほか、四輪操舵システムの同相側への操舵量を他のクラウンよりわずかに増やすことで実現したという。
走りの目標としてもうひとつ掲げられたのが「いかにフラットに、クルマの挙動を抑えられるか」というもので、具体的にはクラウンシリーズでもっともソリッドな足まわりのクラウン スポーツと、反対にもっともソフトなクラウン セダンの中間付近に設定した模様。ただし、乗り心地の味付けは、大まかにいって他のクラウンと同じ方向で仕上げられたという。
パワートレーンは2.5L自然吸気エンジンをベースとしたハイブリッドとプラグインハイブリッドの2種類。これはクロスオーバーやスポーツなどの「エンジン横置き系クラウン」と共通の設定だが、エステートのエンジン最高出力は190psで、クラウン クロスオーバーやクラウン スポーツの186psをわずかに上回る(ハイブリッドの場合)。この辺は、多くの人と荷物を積んで長距離移動するエステートの使い方を想定した結果と考えられる。

2.5L直4エンジン+モーターのHEVとPHEVを用意する。後者は強力なモーターとの組み合わせたシステム総合出力306psで力強い走りを実現。
今回は富士スピードウェイのショートコースで「味見程度」の試乗が許されたが、そこで感じられた乗り心地やハンドリングは、本間氏が説明してくれたとおり、クラウン クロスオーバーと極めてよく似たものだった。つまり、タイヤの当たりをソフトにして快適性を確保する一方、大きな入力に対してはサスペンションスプリングとダンパーでしっかり踏ん張ることにより、フラットな姿勢を保つ方向でまとめられていたのだ。
試乗車はハイブリッドとプラグインハイブリッドの両方が用意されていたが、最高速度が80km/hに制限されたなかでは、明確な違いは感じられなかった。ちなみに発表された諸元によると、WLTC燃費はほぼ同等ながら、プラグインハイブリッドには89kmの等価EVレンジが確保されている点が注目される。

エステートの登場を待っていたユーザーも多いはず。クラウンシリーズの大トリにふさわしい高い完成度だった。
いずれにせよ、4モデル構成とすることで、デザインを始めとする各モデルの個性が際立ったことは間違いない。販売台数については、現時点でもっとも人気が高いのはスポーツだが、最終的にはエステートがトップに立つとの見通しを本間氏は示してくれた。その実力は、間もなく実施される公道試乗会で明らかになるだろう。
クラウン エステート RS 主要諸元
●全長×全幅×全高:4930×1880×1625mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2080kg
●エンジン:直4 DOHC+2モーター
●総排気量:2487cc
●最高出力:130kW(177ps)/6000rpm
●最大トルク:219Nm/3600rpm
●モーター最高出力:前134kW/後40kW
●モーター最大トルク:前270Nm/後121Nm
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:20.0km/L
●タイヤサイズ:235/45R21



