2022年7月に新型クラウンシリーズが発表されてから、クロスオーバー、スポーツ、セダンと続き、ついに「最後のクラウン」エステートを試乗する機会が訪れた。グレードはHEVのZとPHEVのRSで、試乗時にはエンジンや足まわりなどの詳細スペックは伏せられていたが、完成度はかなり高そうだ。(Motor Magazine 2025年5月号より/文:大谷達也、写真:永元秀和)

大トリに相応しい完成度

初代クラウンの誕生から70周年にあたる今年、16代目クラウンのエステートが発表された。4モデル展開となった現行クラウンの、最後の1台として登場したのが、このエステート、つまりステーションワゴンである。

4モデル展開のコンセプトが発表された当初から、理性と感性を横軸に、基盤と創造を縦軸にとった「クラウン・ブランド・ラインナップ」と呼ばれる座標が何度となく示されてきた。

このなかでクラウン クロスオーバーは座標軸の中心に位置する一方、クラウン スポーツは想像と感性を極めた第1象限に、セダンは理性と基盤を突き詰めた第3象限に置かれてきた。これに対して、エステートの位置は想像と理性を重視した第2象限。ここでいう「理性」というキーワードと、エステートとして示された小さな写真から受けるイメージにより、機能性重視の端正なデザインだろうと想像していたのだが、実際に目の当たりにしたエステートのプロトタイプは、そうした事前の予想とは大きく異なるものだった。

画像1: エステートの登場を待っていたユーザーも多いはず。クラウンシリーズの大トリにふさわしい高い完成度だった。

エステートの登場を待っていたユーザーも多いはず。クラウンシリーズの大トリにふさわしい高い完成度だった。

アウトドアでも頼もしいSUVテイストを採用

まず、全高はすでに発表されたクラウンのなかでもっとも背が高いスポーツよりさらに高いように思われたほか、ホイールアーチには黒いカバーがかけられていて、SUV的な印象が一番強いように見受けられたのだ。我々がプロトタイプを取材した段階では、諸元が一切公開されていなかったので想像するしかなかったのだが、ホイールアーチとタイヤの間隔は4台のなかでもっとも大きく、いかにもホイールストロークが長くてオフロード走行向きのように思われたのである。

そんな印象を主査の本間裕二氏にぶつけると、「ああ、そうですね」とあっさり認めた。「このエステートを作るうえでイメージしたのは、たとえばクルマを湖畔に停めて釣りをするとか、高原まで足を伸ばしてクルマのなかで寛いだり、あとはグランピングに出かけたりといった使い方でした」

つまり、アウトドアが強く意識されているものの、そこには常に「上質さ」というキーワードが深くかかわっていたといえるだろう。

画像: ワゴンとSUVの融合から生まれた新型エステートは、地上高を高めつつ、伸びやかで洗練されたデザインによってスタイリッシュ。

ワゴンとSUVの融合から生まれた新型エステートは、地上高を高めつつ、伸びやかで洗練されたデザインによってスタイリッシュ。

そうしたコンセプトは、その後、発表された諸元にも反映されていた。たとえば、全長はクラウンクロスオーバーと同じ4930mm、全幅はクラウンスポーツと同じ1880mmに設定することで広々とした室内空間を確保。そのうえで、全高はクラウンシリーズでもっとも高い1625mmとしてスペースユーティリティの高さをアピール。そしてもっとも特徴的なのが最低地上高で、こちらもシリーズ最大の175mmとしてオフロードでの走破性にも配慮している。アウトドアでの頼もしい相棒となってくれそうなスペックだ。

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