2002年から北米を中心に販売されているLEXUSの本格オフローダーGX。2023年6月にはその2世代目が公開され、2024年4月に日本導入を発表した。先行販売モデルGX550 OVERTRAIL+(オーバートレイル+)の世界観を体感してきた。(Motor Magazine 2025年5月号/文:渡辺敏史、写真:永元秀和)

オフローダーでありながらオンロードでも饒舌な動き

新型GXはクルマの骨格やキャラクターの立ち位置を勘案すれば、オンロードでの乗り心地にも十分な配慮がなされている。それでも凝ったメカニズムを持つLXの域にはさすがに達しないあたりは、ヒエラルキー的な忖度も働いているのではないだろうか。リジッドアクスルがゆえの細かな横揺れや、ラダーフレームならではの操舵と上屋の動きとのタイムラグなどもしっかりと埋められており、数多のモノコックシャシのSUVとほぼ違わない感覚でドライブが愉しめる。

ハンドリングはさすがにスポーティとまでは言わずとも、駆動配分も旋回姿勢もセオリーどおりでトリッキーなところはない。減速荷重や脱出加速などを車体姿勢がわかりやすく伝えてくれるところも、コントロールの実感に繋がっているのだろう。ともあれゴツい見た目からくる印象とは異なり、クルマの動きは饒舌だ。

画像: その佇まいはまさにタフ&ラグジュアリー。GXの真骨頂は世界中の厳しい環境下で鍛え上げられた最強のオフロード性能だろう。

その佇まいはまさにタフ&ラグジュアリー。GXの真骨頂は世界中の厳しい環境下で鍛え上げられた最強のオフロード性能だろう。

共通項の多いLXとは明確なキャラクター分け

今回の試乗ではハードなオフロードを走る機会はなかったが、以前北米仕様のオーバートレイルを試した時の印象からすると、走破能力の高さは言うにおよばず、サスペンションをフルストロークさせながらモーグルなどのセクションを抜けている時でさえ、乗り心地がいいことに驚かされる。タイヤが凹凸をなぞって上下する際にも、突っ張りや突き上げといったショックが丸く整えられている。この点は油圧クッションを用いるLXも凄いが、GXの場合はスタビライザーをフリーにしてバネ下の動きを自由にするE-KDSSの副産物的な効果が大きいのだろう。

画像: 強靭なフレーム構造や対地障害角など優れたディメンジョンを持ちつつ、E-KDSS、デフロック、マルチテレインセレクト、ダウンヒルアシストコントロール、クロールコントロールといった機能を搭載する。これによってあらゆる地形でも平然と走り抜けることができる。

強靭なフレーム構造や対地障害角など優れたディメンジョンを持ちつつ、E-KDSS、デフロック、マルチテレインセレクト、ダウンヒルアシストコントロール、クロールコントロールといった機能を搭載する。これによってあらゆる地形でも平然と走り抜けることができる。

走破性についてはいずれも甲乙つけがたいほど強力無比だが、電子制御とアクティブなサスペンションストロークコントロールで悪路を楽に快適に走り抜けることに主眼をおいたLXに対して、GXは路面とのコンタクト感や操縦の手応えといったアナログ的情報を豊かに伝えながら、乗り手が意思をもって悪路を走り抜けることに重きを置いているという印象だ。いってみればGTカーとスポーツカーの違いにも合い通じるところがある。

それにしてもラダーフレームの四駆が醸し出す盤石感というか頼り甲斐の高さは、モノコックのSUVではなかなか醸せるものではない。生きて帰るとはいささかオーバーながら、実際にそういう地理環境があるのも確かなわけで、そんな極限状況までレクサスクオリティを担保するという話からして、GXのユニークさを物語っている。

レクサス GX550 オーバートレイル+ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4970×2000×1925mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2480kg
●エンジン:V6 DOHCツインターボ
●総排気量:3444cc
●最高出力:260kW(353ps)/4800-5200rpm
●最大トルク:650Nm/2000-3600rpm
●トランスミッション:10速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTCモード燃費:8.1km/L
●タイヤサイズ:265/65R18

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