ドラスティックなレギュレーション変更がもたらす変化とは?
開発のスピードの速さも、アウディモータースポーツの特徴、と言えるかもしれない。たとえばル・マン24時間耐久レースへの挑戦ではマシンを一から開発、およそ2年ほどで初参戦を果たし、3位と4位でフィニッシュしてみせた。

アウディ・レボリュートは、1月20日の夜(現地時間)、ベルリンにおいてワールドプレミアを果たした。ドイツの首都中心部に位置するイベント会場「クラフトヴェルク」に、約400名のゲストが集い、ファクトリーFormula 1チームの初公開に立ち会った。

F1チームのワールドプレミアム時には、R18 e-tron quattro(2012年のル・マン24時間で2位に入賞した2号車)も展示された。
その後も直噴エンジンやディーゼルを搭載した「新機軸の」マシンでル・マンの常識に挑み続け、2012年には「アウディR18 e-tron quattro」が、 ハイブリッドシステムを採用したマシンとして史上初めて優勝を果たす。2000年から18年連続で3位以内の入賞を記録、13度の優勝という圧巻の記憶をレースファンの脳裏に刻み付けている。
近年は、フォーミュラEでワークス(2017/2018)として早くもメーカータイトルを獲得。2022年からフルBEV アウディRS Q e-tronで参戦しているダカールラリーでも、2024年に総合優勝を果たした。
つまりは新たなステージに挑むたびに、アウディは挑戦者として驚異的な成長ぶりを見せつけてきたと言える。そういう意味で、パワートレーンを始めとするマシンレギュレーションが大きく変更された2026年シーズンは、絶好のチャンスとなりうる・・・シェーパース氏の言葉には、確かに説得力があった。

F1は、大幅に刷新された技術レギュレーションが導入されている。新導入の「アクティブ エアロダイナミクス」は前後のウイングを走行中に調整可能。モーターは最大350kW、持続可能な燃料で動く1.6L V6ターボエンジンは約400kWを発生。
2026年シーズン、マシンの技術的な規定にかかわる「テクニカルルール」の変更は、F1史上もっともドラスティックなものになった、とも言われている。目的はもちろん「レースをよりエキサイティングに、面白くする」ために他ならない。
たとえば車体サイズを縮小、軽量化を図ることでマシンの運動性能が向上。オーバーテイクしやすくなり、接戦が増えると予想される。ハイブリッドシステムはモーターの比重が増えて、エンジンと均等に役割を担うことになった。システム全体の簡素化と効率化が実現されているという。
さらに注目すべきは、100%サステナブルなカーボンニュートラル燃料の導入だろう。EV一辺倒だった欧州メーカーの「エコトレンド」に変化の兆しがある今、内燃機関のカーボンニュートラル化がここから、さらに加速していく可能性がある。
なによりコストキャップ(上限規制)による開発費の抑制も、新規参入の魅力を高めている。ブランド力の向上というイメージ戦略に加え、市販車に対するフィードバックについてもより大きなものが期待できる。F1はさまざまな意味で「今もっともコスパの高いモータースポーツ」なのかも、とすら思える。



