積極的にサーキットを走らせたくなる1台
車名からにわかにはわかりにくいが、2011年のロサンゼルス(LA)モーターショーでデビューしたパナメーラGTSは、ラインナップの中で4Sとターボの間に位置する存在である。しかしながらこのGTS、単にマトリックスの空白を埋めるのではなく、これまでと違った面からのアピールをも狙った存在と言える。それはサーキット走行をはじめとするスポーツドライブ。ここは実はポルシェが、パナメーラのアピールで、今まであえて強調してこなかった部分である。
内容でもっとも注目されるのはパワートレーンだ。4.8L V型8気筒直噴自然吸気のエンジンは4S用がベース。吸気系の容量アップやカムシャフトのリフト量増大、専用ECUの採用などによって、最高出力を30ps増の430psに、最大トルクを20Nm増の520Nmに、それぞれ強化している。また7速PDKにも、シフトアップ時にエンジンの点火の間引きと燃料カットを行い、変速を早めるシリンダーシャットオフ機能が新たに採用された。
車名に「4」の文字は入っていないが、駆動方式はれっきとした電子制御式フルタイム4WDである。PASM付きエアサスペンションは減衰力が強化され、車高も10mmローダウン。ブレーキ系はレッドキャリパーのターボ用が標準装備となる。

速度に応じて面積と角度が変化する、パナメーラターボ譲りの4ウェイリアスポイラーを搭載。エアサスは減衰力が強化され車高はS/4Sよりも10mmダウン。
こうした中身に見合うよう、内外装もグッと精悍に仕立てられている。吸気効率アップに貢献する大開口部をもったフロントバンパーなど基本的な意匠はターボから流用されたもの。それに加えてGTSでは、ヘッドライト周辺やサイドウインドウトリム、サイドシルにリアディフューザー、エキゾーストパイプに至るまでブラック仕上げとされている。
ブラックのアルカンターラとレザーでまとめられた内装は、至るところにGTSのロゴが入れられている。ステッチとシートベルトもコントラストカラーでコーディネートが可能。外装と同様、至極ストレートな表現で、スポーティさを隠すことなくアピールしているのである。
可変スタビライザーのPDCC、電子制御式ディファレンシャルと組み合わせたトルクベクタリングシステムのPTV Plusに20インチのタイヤ&ホイール、PCCBなどフル装備状態だった試乗車に乗り込み走り出すと、快適性の高さに改めて唸らされた。細かな入力をしなやかにいなしつつ、姿勢をフラットに保つ味付けは絶妙。個人的には普段から「SPORT」に入れっぱなしでもいいぐらいの洗練ぶりだ。
