ルノー グランカングーが人気だ。撮影車両と同じカラーの「クルール」150台は瞬く間に完売し、その後に追加された第2弾の特別カラーもすでに完売。実際に乗った人の話を聞けば、「いいんだよ」と口を揃える。だが、何がどういいのかをあえて聞くことはしなかった。その答えは自分自身で確かめたかったから。話題がひと段落したタイミングで、じっくりと長期間付き合ってみることにした。

日常を少し豊かにするグランカングーという存在

一方で、商用車ベースであることを感じさせる、カングーファミリーに共通する課題もある。たとえば、ダブルバックドアの構造上仕方のないことではあるが、ルームミラーにセンターピラーが映り込んで後方視界は決して良好とはいえないこと。走行中・後退中の確認作業はより慎重になる。ただし今の時代、バックカメラとデジタルインナーミラーを装着すれば解決できるはずで、ここは大きな問題になっていない。

そしてもうひとつ、後席用エアコン吹き出し口はセンターコンソール後端のみで、真夏の3列目に乗るとややツラい思いをするかもしれない。実際、以前カングーを所有していた際には2列目シートに座る子どもたちに向けて扇風機を用意したほど。こうした快適装備の充実度は、乗用車ベースの国産ミニバンに軍配が上がる。

それでもグランカングーでしか味わえない価値が確かにあるからこそ、ファンの多さにも納得させられる。

画像: 森林や芝生といった緑が良く似合うグランカングー。今度こそはと河川敷で家族とアウトドアを楽しんでみた。

森林や芝生といった緑が良く似合うグランカングー。今度こそはと河川敷で家族とアウトドアを楽しんでみた。

これまで何度かカングージャンボリーの取材をし、会場に集まるオーナーたちを見ても思ったが、このクルマを生活のなかに取り入れることで日常が少し豊かになる・・・そんな気がする。家族との時間がもっと楽しくなる。そんな未来を想像させてくれる。それは決して、大げさな話ではないだろう。

なお、7名乗車を前提としないのであれば、広大なラゲッジスペースを生み出すためにシートを取り外しておくことも可能だ。作業自体は簡単、ただし1脚あたり20kgを超える重量があるため、腰に不安を抱える人にはなかなかの重労働だろう。

もっとも、グランカングーを積極的に使い倒そうという人なら、きっと心身ともに健康でアクティブなはず・・・だと信じたい。

205/60R16サイズのオールシーズンタイヤを標準装着し、ぬかるみや積雪路など滑りやすい路面で駆動輪を電子制御してグリップしやすくする「エクステンデッドグリップ」を備えるなど、アウトドアへの備えも万全だ。一方で、オンロード性能を重視するなら、サマータイヤへの交換によって快適性や静粛性をさらに高める余地もあるだろう。

グランカングーは、ただの「大きなカングー」ではない。カングーらしさをそのままに、家族の成長やライフスタイルの変化を受け止める懐の深さを手に入れた、新しい選択肢なのである。

画像: 約2週間の試乗期間中で往復1300kmのロングドライブを含む約2000km走行した。その間の平均燃費は12.1km/L。以前乗っていたカングーディーゼルには負けるが、全長5m級のモデルと考えれば悪くはないだろう。

約2週間の試乗期間中で往復1300kmのロングドライブを含む約2000km走行した。その間の平均燃費は12.1km/L。以前乗っていたカングーディーゼルには負けるが、全長5m級のモデルと考えれば悪くはないだろう。

ルノー グランカングー クルール 主要諸元

●全長×全幅×全高:4910×1860×1810mm
●ホイールベース:3100mm
●車両重量:1690kg
●エンジン:1.3L直4ターボ
●最高出力:96kW(131ps)/5000rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600rpm
●駆動方式:FF
●トランスミッション:7速DCT
●燃料・タンク容量:プレミアム・54L
●最小回転半径:5.6m
●WLTCモード燃費:14.7km/L
●タイヤサイズ:205/60R16
●乗車定員:7名
●車両本体価格:469万円(グリアーバンは472万円)

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