「アスリート」ヒストリー。それはいつだって特別だった
クラウンにまつわるアイコンと言えば、まずは「ロイヤルサルーン」があった。5代目(80系)に初めて設定されたグレード名だが、国産車随一の気品と落ち着きをまとった上質な高級車という立ち位置を、まさにロイヤルな感じで「体現」していた。

11代目に設定されたアスリートは、クラウンのスポーティバージョンという位置づけを明確に継承していた。専用チューニングのサスを持ち、エンジンも280psを発生する1JZ-GTE型2.5LDOHCターボを搭載する。

13代目にもアスリートの名称は継承されているが、写真の2010年マイチェン後モデルの乗り心地は18インチタイヤを履いているとは思えない優しいものになった。2.5LのV6エンジンを搭載。同タイミングでレギュラーガソリン仕様となり、パワースペックは少しダウンしたが燃費は向上した。
やがて変化が起きた。クラウンマジェスタやセルシオなど、トヨタ流高級車の領域がV8モデルへと広がっていくにつれて、クラウンには新たに、スポーティ路線に沿った差別化が求められたのだ。
アスリートが初登場したのはまさに「いつかは・・・」の7代目(120系)で、特別仕様車として1984年に設定された。ちょっとだけ戦闘的なフロントスポイラーに加え、ゆったりとした乗り心地よりも優れたドライバビリティを追求したサスペンションセッティングで「いつもと違う」感を演出していた。
8代目(130系)では1989年にカタログモデルとして設定、パワートレーンにも特別な仕様が与えられた。2L 直6スーパーチャージャー、3L 直6など、ハイスペック感が際立っていく。背景には、1987年に登場したセドリック/グロリア「グランツーリスモ」の存在もあったかもしれない。

11代目アスリートVにはVVT‐iにセラミックターボを組み合わせた2491ccの1JZ‐GTE型 直6DOHC(280ps/38.5kgm)を搭載している。
9代目、10代目ではお休みしていたものの、1999年登場の11代目では最高出力280psを誇る2.5L直6ターボユニットを搭載した「アスリートV」を再設定。外観でも差別化されながら13代目に至るまで、上級スポーティサルーンの代名詞として成熟されていった。
その極みとも言えるのが、2012年に登場した14代目クラウン アスリートだろう。同じ上質感でも、洗練さを狙ったロイヤルとはまったく異なるアプローチが刺激的だった。ある意味「ゼロクラウン」以来の、インパクトあふれるフルモデルチェンジを遂げていたと思う。
