2026年8月18日、三菱自動車はアジアクロスカントリーラリー(AXCR)2026で総合優勝を果たしたチーム三菱ラリーアートの帰国記者会見を開催した。会見には、優勝した106号車ドライバーの田口勝彦選手、コドライバーの保井隆宏選手、チーム三菱ラリーアートの増岡浩総監督が出席、総合優勝までの道のりを報告した。

来年は新型パジェロでAXCR3連覇か

記者会見ではまず、三菱自動車を代表して五十嵐京矢 代表執行役副社長が「実は、ラリースタート前、増岡総監督に『ぜひ勝ってください。なんとしても勝ってください』とお願いをしておりました。他のチームの戦闘力も昨年より上がっていますので、2連覇というのは非常に難しいことだと思いますし、かなり大変な思いをされたのだろうと思います。さらに日本人ペアによる総合優勝という快挙、本当におめでとうございます。AXCRは、ご承知のとおり、東南アジア特有の高温多湿な気候の中で、山岳あるいは密林を中心とした過酷なオフロードコースで行われます。非常に狭いコース、あるいは木々が生い茂ってミスコースしやすいステージで、今回磨き上げたトライトンのハンドリング、泥濘地でトライトンの力強い走破性が本領を発揮されたのだろうと考えております。砂漠のダカールラリーに対して、ジャングルのアジアクロスカントリーラリー。タイプは異なりますが、同じように過酷なラリーです。そこでトライトンの走破性の高さが実証されました。そしていよいよ今年度は、新型のパジェロを投入いたします。三菱自動車としての挑戦も新たな幕開けを迎えます。三菱自動車を代表してチームの皆様に改めて御礼を申し上げたいと思います」と挨拶。

その後の記者会見では、チーム三菱ラリーアートの増岡浩総監督が「今年は最初から僅差の戦いで、誰が勝ってもおかしくないような、そんな大会で、チームのみんながしっかりチームプレーに徹してくれて摑んだ勝利だと思っています。三菱自動車は過酷な環境で戦うモータースポーツ活動を、量産車開発につなげてきました。それは走りだけでなく、 安心感や安全性など、三菱自動車らしいクルマづくりに活かされています。エンジニアの育成も同様で、こうした場での経験が、日常の業務に活かされていくはずです。応援、ありがとうございました」とコメント。

優勝した106号車のドバイバー田口勝彦選手は「まさか3日目でトップに立つとは思っていませんでした。傍からは順調に見えたかもしれませんが、決してペースを緩めたわけではなく、保井選手とともに限界ギリギリで走り抜きました。トップに立ったことでライバルたちにリスクを取らせ、ミスを誘う展開に持ち込めたのも大きかったです。未舗装路をその場の判断で攻めるAXCRならではの難しさと面白さがありますが、事前に徹底して高めたトライトンのハンドリング性能のおかげで狙いどおりのラインを走り続けられ、パンクを避けることができました」と語った。

画像: 優勝した106号車ドライバーの田口勝彦選手。アジアパシフィックラリー選手権で2度シリーズチャンピオンとなったトップラリースト。

優勝した106号車ドライバーの田口勝彦選手。アジアパシフィックラリー選手権で2度シリーズチャンピオンとなったトップラリースト。

また、コドライバーの保井隆宏選手は「勝つためには、クルマの性能を上げると同時に、タイムロスをいかに少なくするかが重要だと考えていました。コドライバーにとっては、クルマが速くなるとナビゲーション速度もどんどん上げていかなくてならず大変でした。田口選手が、ラフなセクションとかパンクのリスクがあるところ、ジャングルでミスコースしやすいセクションでは抑えて走り、ハイスピードなところでタイムを稼ぐというメリハリのある走りをしてくれたおかげで、うまくコンビネーションが噛み合ったかなと思います」と勝利のポイントを報告した。

画像: オフィシャルから配布されるコマ図を使ってラリーの模様を説明する106号車コドライバーの保井隆宏選手。

オフィシャルから配布されるコマ図を使ってラリーの模様を説明する106号車コドライバーの保井隆宏選手。

記者会見では新型パジェロも話題にのぼり、増岡浩総監督から「どこまで言っていいんですかね。これは僕個人の思いですが、(2027年のAXCRの参戦車両は)パジェロで決まっているんです(笑)。新しいクルマを作るのはすごく楽しみだし、ポテンシャルはすごく高いと思います。パジェロはトライトンの兄弟車みたいなものですから、いままで得てきたノウハウをパジェロに活かして、戦闘力の高いクルマに仕上げ、3連覇を目指します」と突っ込んだコメントも。

すでに「来年パジェロでAXCR3連覇」という目標は立てられているのか、もう開発はスタートしているのか、正式発表はそう遠くないはずだ。

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