2026年9月4日〜6日(現地時間)、WEC世界耐久選手権第5戦「ローンスター・ル・マン」 がアメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催され、フェラーリの50号車499P(アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセン組)が優勝した。トヨタの7号車TR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/小林可夢偉/ニック・デ・フリース)は6時間レースの残り11分まで首位を走っていたが、トラブルに見舞われゴール間近でリタイア、惜しくも勝利を失った。

残り1時間で再び各車のギャップがなくなった状態で競技が再開

全8戦で争われる2026シーズンもいよいよ後半戦。今回のローンスター・ル・マンを終えると、富士6時間、そして中東で行われる予定だった最終2戦がスペイン(バルセロナ6時間)、イタリア(モンツァ6時間)で開催され、チャンピオン争いはクライマックスを迎える。

チャンピオン争いという面でも重要なレースに位置づけられるローンスター・ル・マン、予選では51号車フェラーリと38号車キャデラックがフロントロウを獲得、トヨタの2台は8号車が7番手から、7号車が9番手から決勝に挑むこととなった。

6時間にわたって行われた決勝では、灼熱の陽射しに加えて断続的な雨に見舞われた。スタート直前にも雨が降り、コースの一部はウエットコンディションとなったものの、全車スリックタイヤでスタート。トヨタはレース序盤のうちに2台が揃ってトップ6圏内へ浮上すると、2台に異なる燃料戦略を採用。7号車が通常どおりのピットワークを見せる一方、8号車はトラフィックを避けるために早めに最初のピットストップを行い、両車ともレース開始から2時間経過時にはトップ3圏内に浮上した。

さらにレース中盤のセーフティカー導入によって各車の差はリセットされ、そのリスタート後、トヨタの7号車がついに首位に立った。

ところが、残り1時間の時点でバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入され、その後セーフティカーに変更されると、再び各車のギャップがなくなった状態で競技が再開されることになった。

画像: トヨタ7号車は、予選9番手からスタートし、決勝では首位を快走、セーフティカー導入にも対応して、優勝は確実と思われた。

トヨタ7号車は、予選9番手からスタートし、決勝では首位を快走、セーフティカー導入にも対応して、優勝は確実と思われた。

50号車フェラーリが逆転勝利、マニュファクチャラーズ選手権は三つ巴に

残り45分でレースが再開されると、首位のトヨタの7号車がファステストラップを更新しながら後続との差をどんどん広げていく。しかし、レースはそれで終わらなかった。

レースも残り11分、後続に6秒の差をつけ、もはやトヨタ7号車の勝利は確実と思われたが、その7号車にパワーステアリングに影響を及ぼす油圧系トラブルが発生し、ガレージに戻ってリタイアとなってしまう。

これにより、優勝は50号車フェラーリに転がり込み、2位に38号車キャデラックが入った。35号車アルピーヌは2番目にチェッカーを受けたものの、アンセーフリリースにより5秒加算のペナルティを受けて3位。4位には007号車アストンマーティン、5位には36号車アルピーヌが続いた。

一方、トヨタのもう1台、8号車はレース中盤過ぎまでトップ3をキープしていたものの、ペナルティや不運なタイミングのセーフティカー導入により大きく後退。それでも終盤のリスタート後の混戦のなかでポイント圏外から順位を上げて、最終的には6位でチェッカーを受けている。

画像: 残り11分の悲劇に、トヨタのピットは愕然。チャンピオン争いは一気に混沌としたものになったが、まだトヨタは辛うじて首位を守って、シーズン終盤へ向かう。

残り11分の悲劇に、トヨタのピットは愕然。チャンピオン争いは一気に混沌としたものになったが、まだトヨタは辛うじて首位を守って、シーズン終盤へ向かう。

画像: 逆転で勝利を手にしたフェラーリ50号車は、「ローン・スター・ル・マン」で3年連続の表彰台を獲得。2024年は3位、2025年は2位、そして2026年はついに表彰台の頂点に立った。

逆転で勝利を手にしたフェラーリ50号車は、「ローン・スター・ル・マン」で3年連続の表彰台を獲得。2024年は3位、2025年は2位、そして2026年はついに表彰台の頂点に立った。

この結果、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権でなんとか首位を守り、ランキング2位との差を9ポイントに広げた。また、トヨタ7号車(マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース)はドライバーズ選手権首位タイを維持しており、残り3戦となる中、8号車のセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮も、首位との差を11ポイントまで縮めた。

トヨタは辛うじて選手権でのリードを保ったまま、次戦のホームイベント、第6戦「富士6時間」に挑む。富士6時間は3週間後、9月25日から27日の日程で、富士スピードウェイで開催される。(文:新村いつき)

2026年WEC世界耐久選手権第5戦「ローンスター・ル・マン」 決勝

1位 50 フェラーリ 499P(フォコ/モリーナ/ニールセン)167周
2位 38 キャデラック VシリーズR(バンパー/ブルデー/エイトケン)+4.471s
3位 35 アルピーヌA424(ダ・コスタ/ミレジ/ハプスブルグ)+6.116s
4位 007 アストンマーティン ヴァルキリー(ティンクネル/ギャンブル)+9.045s
5位 36 アルピーヌA424(マコウイッキ/グーノン/マルタン)+10.885s
6位 8 トヨタ TR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+21.389s
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リタイア 7 トヨタ TR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/デ・フリース)

2026年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第5戦終了時)

1位 コンウェイ/小林可夢偉/デ・フリース(#7 トヨタ)75
1位 ラスト/フラインス(#20 BMW)75
3位 リンデ(#20 BMW)65
4位 ブエミ/ハートレー/平川亮(#8 トヨタ)64
5位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(#51 フェラーリ)58
6位 マグヌッセン/マルチェッロ(#15 BMW)54
6位 フォコ/モリーナ/ニールセン(#50 フェラーリ)54

2026年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第5戦終了時)

1位 トヨタ 140
2位 BMW 131
3位 フェラーリ 114
4位 キャデラック 80
5位 アルピーヌ 66
6位 アストンマーティン 52

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