XC90と濃密な対話ができるようになった
以前、この連載で、XC90は音声認識でクルマとのコミュニケーションがうまくいかない、どうにかならないものかと書いたが、それが改善された。
車両のソフトウェアやナビ関連などをトータルアップデートしたのである。ディーラーから戻ってきたXC90は、音声認識率があがり、ボイスコントロールシステムがとても使いやすくなっていた。ナビの施設検索やメディア関連、さらに空調、シートヒーター、ステアリングホイールヒーターといった、この季節に頻繁に使う装備が「シートヒーターを下げる」「温度を25度にする」と話すだけで操作できるのだから便利である。
XC90と文字どおり、〝濃密な対話〞ができるようになったと感じている。実は、ボイスコントロールシステムを使うことによっていろいろとメリットが生まれることもわかった。
XC90は、スイッチを極力減らしてすっきりとしたインパネを実現し、センサスに多種多彩な機能を盛り込んでいるのだが、それが話しかけるだけで使えるのだから便利でないはずがない。
たとえば、タッチ式の縦型9インチディスプレイを使って操作することが格段に減ったので、運転に集中できるというのもそのひとつだが、他にもそこに付く指紋が少なくなり、ディスプレイ画面をクリーナーで拭くことも減ったのである。この機能は、まだまだ奥が深そうなので、今後は、他にもどのようなことができるのか、試してみたい。
ところで担当している長期テスト車が走っている姿は、あまり自分で見ることはない。ハンドルを握っていることが多いのでそれは当然といえば当然なのだが、今回の取材ではそんな機会にも恵まれた。それが今月のメインカットである。
事実、連載6回目だが、長期テスト車XC90の走行シーンを掲載するのは初めてである。真横からの姿は、とても気に入っているのでそれに富士山を絡めることができたカメラマンに感謝である。それとともに移動中も助手席でこうした場面を見逃さず撮影するため、カメラを抱えているプロ意識には頭が下がる。
さて今回はメインカット下にあるようにレザーシートもクリーニングした。とくに運転席側の乗り降りする部分に汚れが目立つようになったのだ。これは以前のテスト車でも作業したが、とても簡単に掃除できるのだ。レザーシートの良さは、こうしたところにもあると感じている。(文:千葉知充・Motor Magazine編集部/写真:永元秀和)