文:竹花寿実(Kimura Office)/写真:フォルクスワーゲン AG
新型ポロはプラットフォームを一新し、運転支援・快適装備も進化
サイズだけでなく、パッケージングもひとクラス上にできた理由は、横置きエンジン用モジュラープラットフォームであるMQBを採用したことが大きい。新型ポロには、ゴルフやパサートなどに採用されているMQBをコンパクトカー用に改良した「MQB A0」が用いられている。
幾何学的なパネルデザインが印象的なインパネには、第2世代のアクティブインフォディスプレイを用意。運転支援システムも充実している。フロントアシストやシティエマージェンシーブレーキ(歩行者検知機能付)、ブラインドスポット検知機能、ストップ&ゴー機能付アダプティブクルーズコントロールシステム、リアトラフィックアラートアシストなど、これまで上級モデルに設定されていた装備の数々を標準、またはオプションで用意する。
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さらに、“カーネット”を介して様々なオンラインサービスが利用可能。専用のアプリを用いたデジタルユーザープラットフォームも利用できるなど、最新のモビリティサービスに対応している。
パワーユニットも進化している。2017年の発売時に用意されるエンジンは、ガソリンが6種類。最高出力65ps/75psの自然吸気3気筒1.0MPIが2タイプと、95ps/115psの3気筒ターボ1.0TSIが2種類、そして気筒休止システムを備えた150psの4気筒ターボである1.5TSI evo、さらにGTI専用の200psを絞り出す4気筒ターボの2.0TSIが揃う。ほかにディーゼルや、天然ガス3気筒ターボエンジンも設定される。
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200psを絞り出す専用4気筒ターボエンジンを搭載したポロGTIも登場する。
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GTIは「クラーク」と呼ばれるタータンパターンを配したスポーツシートを装備。マルチファンクションステアリングを採用する。
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「ビーツ」は、ボンネットとルーフ部に専用デカールがつくなど、エクステリアの印象もより若々しい。
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若者向けの「ビーツ」に装着されるオーディオは、トータル出力300Wというとてもハイスペックなサウンドシステムなのだ。インテリアも専用のカラーリングとなる。
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コネクティビティの面でも充実。専用アプリを用いた「We by Volkswagen」では、キャッシュレスパーキングにも対応する。
トランスミッションは5速または6速MTが標準で、一部に7速DCTも選択可能。アイドリングストップ機能や制動エネルギー回生機能は全車に備わる。トレンドラインとコンフォートライン、ハイラインの3種類の他、専用サウンドシステムを搭載した“ビーツ”と、高性能バージョンのGTIも設定される。
全方位的に商品力を高め、格段にエモーショナルなデザインをまとった新型ポロは、日本でも世界でも、ジャストサイズの「小さな巨人」として大いに注目されるだろう。
なお、ドイツにおける価格は19%の付加価値税込みで1万2975ユーロ(約160万円)からとなっている。