1970年代、80年代の街道レーサーのルーツにもなったと言える、ツーリングカーレースに参戦していたマシンたち。クルマ好きは、これらを「ハコ」と呼んで愛した。連載第4回は「ハコ」のレーシングカーを代表する存在、「日産 スカイライン 2000GT-R(KPGC10型)」だ。
レース界で語り継がれる伝説を残した
言わずと知れた日産レーシング史の伝説、金字塔を打ち立てたのが、スカイライン 2000GT-Rだ。デビュー戦となった1969年5月のJAF グランプリ時には4ドアセダンのボディだったが、1971年から2ドアハードトップに変更された。
グループ6のレーシングカー、日産R380のGR8型エンジンを基本とする直列6気筒24バルブDOHCエンジン、S20型エンジンはデビュー時こそ最高出力は200psそこそこだったが、1972年の最終仕様では240ps+αまでにパワーアップされていた。
マツダ・ロータリー勢に押されて事実上の最終戦となった富士マスターズ250キロレースでは、富士スピードウェイのフルコース(6km)のラップタイムは1分59秒台に突入した。
全52勝を記録した、スカイライン 2000GT-R(KPGC10型)は最強のツーリングカーだったといえるだろう。(文:大内明彦)