520ものメーカーや団体が出展、各国の大使館も後援
国際航空宇宙展は、一般社団法人日本航空宇宙工業会と(株)東京ビッグサイトが主催する、航空宇宙分野の国際展示会だ。かつてはイベントショーの要素が強く、自衛隊基地などで開催されたが、諸般の事情で近年は関係者や専門家を対象とするトレードショーとなっている。

三菱重工は、実用化が待たれる小型旅客機のMRJやH3ロケットの模型などを展示。
それでも2〜3年に1度(開催は不定期、次回は2021年の予定)しか開催されない展示会なので、専門家はもちろん、数多くの航空&宇宙ファンが楽しみにしているイベントだ。今回の参加メーカーや団体数は520。日本の経済産業省はもちろん、海外8カ国の大使館も後援している。

ロッキードマーティン社は、旅客機から軍用機まで、さまざまな機体の模型を展示。
クルマ好きには比較的なじみの深いスバル、三菱重工、川崎重工、IHIといった国内大手メーカーから、ボーイング、エアバス、ロッキードマーティンといった海外航空機メーカーに、一次産品ではないので何を作っているのかよくわからない謎の中小メーカーとか、さらには地方自治体まで、機械やモノづくりが好きな人には、けっこう魅入ってしまうブースも多い。

スバルの民間向け最新ヘリコプター「スバル ベル 412EPX」の模型は5分の2スケールなので、全長は約6.8mもある。

スバルの無人機研究システムの模型。実機は既に試験飛行を行っている。アイサイトにも技術がフィードバックされている…?
また、「航空宇宙展」と銘打ってはいるが、ミサイルや軍用機など、けっこう軍需産業のトレードショー的意味合いも強い。防衛省がブースを出しているショーなんて、おそらくここくらいのものだろう。会場内には、日本だけでなく海外の「制服組」も多く見かけられた。

川崎重工と防衛省が開発したC-2輸送機の模型。機内には大型ヘリコプターを収納可能。間もなく配備が開始される。

IHIはターボファンエンジンの実物を展示。会場に展示するのは、これが限界か?
展示会場のスペースの関係で、残念ながら飛行機などの展示物は模型がほとんどなのだが、屋外展示でロッキードマーティン製のステルス戦闘機「F35ライトニングII」が展示されていた!

ロッキードマーティンF35ライトニングII戦闘機。日本の航空自衛隊も採用予定だ。

ライトニングIIのコクピット。正面の黒いパネルがタッチスクリーンとなっている。
これも実機ではなくモックアップなのだが、実寸で細部まで本物そのもの。プレスパスのおかげでコクピットに座ることができたのだが、メーターがいっぱい並んでいる…というコクピットのイメージは過去のもので、大型のタッチスクリーンが備わるシンプルなもの。クルマ以上に航空機の進化が感じられた、国際航空宇宙展だった。(文と写真:篠原政明)