生産台数60万台を超える異例のヒット作に
1980年代のホンダで、シティとともに忘れられないのが2代目プレリュード。初代プレリュードはシビックをベースにしたパーソナルな2ドアクーペとして登場したが、1982年11月デビューの2代目プレリュードはそのコンセプトをさらに追求。スーパーカーのように低いノーズ、リトラクタブルヘッドライト、端正なノッチバックスタイルで、世界のスポーツカーファンの度肝を抜いた。
初代シティとは対照的なコンセプトだが、その日本車離れしたワイド&ローのプロポーションは若者を中心にもてはやされ、総生産台数60万台以上というスペシャルティカーとしては異例のヒット作となった。
注目は当時のホンダが採用するサスペンションだった。シンプルなトーションビームを使ったかと思えば、この2代目プレリュードでは凝ったダブルウイッシュボーンを採用するなど、話題に事欠かなかった。そこにはスタイリングと走りの両立を求める姿があった。またその一方でABSの先取りなど、ホンダは安全性への取り組みにも積極的だった。
エンジンはデュアルキャブで125psを発揮する1.8L CVCCを搭載。4-2-1-2の集合排気システムを採用し、DOHCに匹敵する吹け上がりの良さを特徴としていた。
1984年10月のマイナーチェンジでドアミラーを採用してさらに人気を高め、1985年6月には160psとした2L DOHC搭載のSiを投入。本革シートを奢ったこのモデルも大ヒットとなった。
FFでありながらフェラーリより低いと言われたノーズのデザインはまさに驚異的で、2代目プレリュードは世界のスペシャルティカーに大きな影響を与えたと言っていいだろう。
発表当時、とくに豪華仕様のXXが大人気だったが、ホンダ コレクション ホールには1983年式のプレリュード XXが展示されている。
ホンダ プレリュード XX(1983年)主要諸元
●全長×全幅×全高=4295mm×1690×全高1295mm
●ホイールベース=2450mm
●エンジン=直列4気筒OHC
●排気量=1829cc
●最高出力=125ps/5800rpm
●最大トルク=15.6kgm/4000rpm
●車両重量=990k(5速MT)
●1983年当時の価格=171万8000円
ホンダ コレクション ホール
ホンダのチャレンジングスピリット、技術の歴史、ものづくりへの情熱が感じられるミュージアム。「ホンダのみんなが何を考えてつくってきたか。みんなのつくったものを皆さんにお見せすればいい。こんな正直なホンダはどこにもないぞ」という創業者本田宗一郎の言葉が発端になって開設された。現在のホンダ コレクション ホールは、ツインリンクもてぎ開業にあわせて、鈴鹿サーキット内にあったコレクションホールを移転する形で1998年3月にツインリンクもてぎの重要な施設のひとつとして設立された。2輪、4輪、レーシングマシン、国内外の良きライバル車など約300台を展示。さまざまな企画展が開催されていて、いつ訪れても新しい発見がある。なお、ツインリンクもてぎへの入場に料金が必要だが、ホンダ コレクション ホールへの入場は無料となっている。
●住所:栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1(ツインリンクもてぎ内)
●入館料:無料(ツインリンクもてぎへの入場に別途料金が必要)
●問い合わせ先:☎0285-64-0341
●アクセス:常磐自動車道水戸北スマートICより約30分(東京方面からのETC専用出入り口のみ)、那珂ICより約40分、水戸ICより約40分/東北自動車道宇都宮ICより約90分/北関東自動車道真岡ICより約50分
●展示車両は入れ替えの場合あり。