ミツビシ(三菱自動車)が電動技術の研究を始めたのは、昭和の末期にまで遡る。そして、そのころの研究成果をつぎ込まれたクルマが、1993年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「ESR」だった。(ホリデーオート2019年1月号/2018年12月10日発売号より抜粋)
三菱 アウトランダーPHEVの技術的ルーツがESRだ
「小型発電所を搭載」と謳われたミツビシ ESRが東京モーターショーに出展されたのは1993年のこと。当時は各社さまざまな電動化技術を模索していた時期であった。
そこでいち早くミツビシから提案されたのが、シリーズハイブリッドのESR。前輪を駆動するのはモーターで、最高出力70kW、最大トルク14.0kgmを発生。必要に応じて車体後部に搭載された発電専用の高膨張比エンジンとジェネレータが、床下に収められたバッテリーに充電する。
ちなみにバッテリー走行による航続距離(フル充電時/40km/h定速走行時)は500km以上、ハイブリッド走行を併用すれば1000km以上が可能だった。現在のアウトランダーPHEVに通じる技術的な基盤はすでにこの時点で確立されていたのだ。