新型RC Fには、“パフォーマンス・パッケージ”を新たに設定
RC FのベースモデルにあたるRCは、日本でも2018年秋にマイナーチェンジモデルが発表された。これを基に今回、ハイパフォーマンスモデルであるRC Fもマイナーチェンジされたというわけだ。
新型RC Fは、軽量化・空力性能の向上を中心に、あらゆる点にこだわり走行性能を磨き上げた。
まず、運動性能の向上を狙い、車両重量の低減を実施。従来型比で20kgの軽量化を実現している。
次に、限界領域でのコントロール性向上を目的に、トレッドパターン一本一本のコンパウンド材質までこだわってタイヤをミシュランと新開発。サーキット走行などにおいても優れた操縦安定性を発揮する。
また、“F”の自然吸気エンジンならではのリニアな加速フィーリングを際立たせるため、エンジン出力を向上させるとともに、エアクリーナー形状変更による吸気性能向上とスロットル制御の改良によりアクセルレスポンスを向上させた。
またディファレンシャルのローギア化を図ることで、サーキット走行におけるアクセルでの車両コントロール性を向上。街乗りの際にも軽快な走りを感じることができる。
エンジン型式は従来型と同じ2UR-GSEで、排気量も4968ccと変わらないが、最高出力は472hp/7100rpm、最大トルクは535Nm/4800rpm、0-60mph(約96km/h)加速は4.0秒と発表されている(北米仕様、後述のパフォーマンス・パッケージ)。
エンジントルクを制御し、発進時のタイヤ空転を防ぐローンチコントロールも採用。スポーツ走行における鋭いスタートダッシュを実現している。
エクステリアは「レース育ちのスタイリング」をコンセプトに、レースで培われた空力デバイスや形状を最大限スタイリングに織り込んだデザインとしている。
具体的には、フロントバンパーコーナーにカナード形状を取り入れてダウンフォースを向上させたほか、サイドのロッカーモール後端にアンダーカット形状を作ることでリアタイヤ周辺の乱気流を抑制するなど、空力性能の向上を目的としながら、“F”としての独自性を狙ったデザインとしている。
また、前後のホイールハウスにダクトを設けることでホイールハウス内に溜まった空気の圧力を低減。最適なコーナリング姿勢やステアリングの応答性向上に寄与している。
さらに、“F”が持ち味とするサーキットにおける優れた走行性能を象徴するバージョンとして、新たに“パフォーマンス・パッケージ”を設定した。日本のスーパーGTや米国のデイトナ24時間レースなど、RC F GT3 によるレース参戦のノウハウを応用し、専用の空力パーツや内装デザインを採用したほか、さらなる軽量化や加速性能の向上を実現した、“F”の決定版とも呼べるモデルだ。
エンジンフード、ルーフ、フロントスポイラーなどの外装部品やブレースにCFRPを採用したほか、カーボンセラミックブレーキやチタンマフラー、軽量アルミホイールの採用で、従来型比70kgの軽量化を実現。“パフォーマンス・パッケージ”の高い運動性能に寄与している。
専用のカーボンリアウイング(固定式)も採用。標準仕様に採用されているアクティブリアウイング以上のハイダウンフォースとロードラッグを実現し、高速走行時の安定性と高速域の伸び感を両立している。
なお、新型RC Fの日本での発売は、2019年5月を予定している。そのパフォーマンスの一端は、以下の動画でご覧ください。