初代 ユーノス ロードスターは、クルマと人の一体感と軽快さが最大の魅力
「初代 NAロードスター(1989〜1997年)」

1989年9月に日本で発売された「ユーノス ロードスター」は発売と同時に世界中のスポーツカーファンを魅了し、ライトウエイトスポーツカー市場の活性化に貢献した。
初めてロードスターのハンドルを握るのであれば、ぜひとも幌を開けて走って欲しい。頭上に感じる太陽、顔に当たる風、そして屋根のない開放感を感じ取って欲しい。それらを加味して、初めて本来のロードスターの走り味となるからだ。

試乗車は、1.6Vスペシャル。初代NAのみリアウインドーはビニール製だった。
ロードスターの着座位置は低い。ドアを開ければ座ったまま地面に手が届きそうに感じるほど。しかも2代目まではウエストラインが低いため、ヒジをドアにかけることもできる。行儀は良くないが、こうしたリラックスした雰囲気で乗れるのもロードスターの魅力のひとつだろう。
また、センターコンソールの上にあるボタンを押せば、リトラクタブルヘッドライトの開閉が運転席からも確認できる。これができるのはNAロードスターだけだから、試乗のときはぜひとも試して欲しい。

1.6L 直4DOHCエンジンは120psを発生。93年には1.8L 直4DOHCが追加され130psを発生した。絶対的な速さを求めるクルマではないため1.6Lエンジンを好む人も多い。
気になるのは、アクセルペダルの位置が少し中央寄りにオフセットしていること。これは最新のマツダ車では見られない。ただし、クルマとの一体感や軽快さは、現在のNDロードスターにも負けていない。

試乗車の「Vスペシャル」は、ナルディのウッドステアリング、ウッドシフトノブ、ウッドサイドブレーキレバーを装備してブリティッシュスポーツ風にまとめられていた。
ステアリングフィールやブレーキタッチなどは、むしろNAロードスターの方が自然に感じられる。機構的に油圧式パワーステアリングは完成されていたし、ブレーキにABSなどの追加機構はない。
シンプルな分だけ、しっかりとメンテナンスすれば、ブレーキパッドがローターをつかむ瞬間がわかるほどの素晴らしいフィーリングを味わうことができる。

シフトフィールは洗練された…とは言えないものだったが、ローパワーをギリギリまで引っ張ってシフトアップする楽しさは格別だった。
速い、遅いでいえば、NAロードスターは特別速いクルマではない。しかし、自転車を漕ぐようなクルマと人の一体感と軽快さは、NAロードスターならでは。そこが最大の魅力だ。

試乗車のブリヂストンSF325185/60R14は、2017年にレストア用に復刻されたタイヤ。こうしたものが出るのもロードスターならでは。
ちなみに後期型の1.8Lエンジン搭載車(NA8C)は、エンジンの音が図太くトルクも太い。しかし一方で、がさつさも感じる。ここは好みの別れるところといえるだろう。(文:鈴木ケンイチ/写真:永元秀和、井上雅行)
ユーノス・ロードスター 主要諸元
●全長×全幅×全高:3920×1675×1235mm
●ホイールベース:2265mm
●エンジン種類:直4DOHC
●排気量:1597cc(1839)
●最高出力:120ps/6500rpm(130/6500)
● 最大トルク:137Nm/5500rpm(157/4500)
●当時価格:175万1000円~
※( )内は1.8L

ロードスター4世代乗り比べは、ホリデーオート2019年3月号でも紹介しています。