1961~70年は、日本の近代スポーツカーが飛躍的に進化した10年だった。この時代に矢継ぎ早に投入された新型スポーツカーは、まさに日本の自動車技術の進化の歴史と言っていい。そんな飛躍の10年を彩った珠玉のマシンを振り返ってみる。今回は「スカG神話」を生み出した、スカイライン 2000GTーBを紹介しよう。

ファミリーカーに直6エンジンを詰め込んだモンスター「ゴーヨンビー」

「スカイライン 2000GTーB(S54B型 1965年2月発売)」

画像: スカイライン伝統の丸型テールランプは、この2代目から継承されている。

スカイライン伝統の丸型テールランプは、この2代目から継承されている。

プリンス・スカイライン(当時はまだ日産との合併前)の2代目は、1963年9月に発売された。先代の大型セダンから一転、小型ファミリーセダンに生まれ変わった。

翌64年、第2回日本GPに参戦するため、グロリアスーパー6用の直6SOHCエンジンを搭載した「スカイラインGT」を開発。直6エンジンを搭載するために車体の前部は200mm延長された。

画像: 車体前部を200mm延ばし、グロリア スーパー6用G7型直6にウエーバー製キャブレターを3連装して搭載。直線の速さは国産随一だった。

車体前部を200mm延ばし、グロリア スーパー6用G7型直6にウエーバー製キャブレターを3連装して搭載。直線の速さは国産随一だった。

日本GPでは1周だけだったが純レーシングカーのポルシェ904を抜いて先頭に立ち、その勇姿を強烈に観衆に印象づけたことが「スカG神話」の始まりとなった。

画像: 丸形メーターにナルディタイプの3スポークハンドル、ブラック内装と、競技車両を意識したスパルタンな印象に仕上げられていた。

丸形メーターにナルディタイプの3スポークハンドル、ブラック内装と、競技車両を意識したスパルタンな印象に仕上げられていた。

ホモロゲーション用に100台生産されたスカイラインGTは65年2月に市販されるが、3キャブレターのエンジンは扱い難く、9月に1キャブのGT-Aを追加する。そのとき、従来型は赤バッジを付けた栄光の「GTーB」に呼称を変更した。

画像: t全長は4.2mあまり、全幅は1.5m弱と、現在のコンパクトカーと比べても大差ないサイズだった。

t全長は4.2mあまり、全幅は1.5m弱と、現在のコンパクトカーと比べても大差ないサイズだった。

スカイライン 2000GT-B(1965年) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4225×1495×1410mm
●ホイールベース:2590mm
●車両重量:1070kg
●エンジン・型式:直6SOHC・G7型
●排気量:1988cc
●最高出力/最大トルク:125ps/17.0kgm
●サスペンション前/後:ダブルウイッシュボーン/リーフリジッド
●発売時価格:89.5万円

画像: 60年代の国産スポーツカーについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

60年代の国産スポーツカーについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

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