新しい元号が「令和」と決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、当時の写真とともに紹介していこう。記念すべき第1回は、R32型スカイラインGT-Rだ。

最強のエンジンと最新のメカニズムを組み合わせたスーパーGT

「日産 スカイラインGT-R(BNR32型:平成元年8月発売)」

画像: 基本ボディは素のスカイラインと共通だが、前後のブリスターフェンダーや大型リアウイングはGT-R専用アイテム。

基本ボディは素のスカイラインと共通だが、前後のブリスターフェンダーや大型リアウイングはGT-R専用アイテム。

1973年4月に生産終了したケンメリR以来、16年ぶりに復活したGT-Rは、国内最強マシンとしてその名を轟かせる。素のスカイラインも2LのGTとして侮れない高性能車だったが、GT-Rは別格だった。

6連スロットルチャンバーやセラミックターボ、プレス型ストレートマフラーなどを備えた2.6L DOHCツインターボエンジンに加え、大パワーを受け止める電子制御トルクスプリット4WDのATTESA E-TSや、切れ味鋭い操舵応答を支援するSUPER HICASなどにより、異次元のコーナリングを見せたのだ。

画像: 2.6L 4バルブDOHCに2基のセラミックタービンを搭載したRB26DETTは公称280psを発生。頑丈な鋳鉄ブロックは500psも許容した。

2.6L 4バルブDOHCに2基のセラミックタービンを搭載したRB26DETTは公称280psを発生。頑丈な鋳鉄ブロックは500psも許容した。

FRを基本に、前輪に0~50%トルク配分してトラクションの抜けを防ぐATTESAと、後輪を一瞬逆位相にしてターンインを鋭くする位相反転制御を加えたSUPER HICASの組み合わせは、レースでも圧倒的な強さを発揮。グループAでは1990年のデビュー戦から93年まで勝ち続け、29連勝を達成した。

画像: エンジンの許容回転数は7400rpm。センターコンソールに電圧/油温/過給圧のサブメーターがセットされる。

エンジンの許容回転数は7400rpm。センターコンソールに電圧/油温/過給圧のサブメーターがセットされる。

優勝記念車として93年に大径のブレンボ製VディスクとBBS製17インチホイールを備えたVスペック(526万円)を発売。94年にはタイヤを225/50から245/45R17にサイズアップしたVスペックII(529万円)を投入している。形だけでなく確実にコーナリング限界が高まっていたのは、GT-Rの特別仕様ならではだった。

画像: 19994年に登場したVスペックII。ようやく認可の下りた45%偏平タイヤを履き、コーナリングスピードを一気に上げた。

19994年に登場したVスペックII。ようやく認可の下りた45%偏平タイヤを履き、コーナリングスピードを一気に上げた。

スカイラインGT-R(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4545×1755×1340mm
●ホイールベース:2615mm
●重量:1480kg
●エンジン型式・種類:RB26DETT型・直6 DOHCツインターボ
●排気量:2568cc
●最高出力:280ps/6800rpm
●最大トルク:36.0kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:225/50R16
●価格:451万円

画像: 登場から30年以上を経た今でも、R32GT-Rの人気は衰え知らずで中古車市場では高値で取り引きされている。

登場から30年以上を経た今でも、R32GT-Rの人気は衰え知らずで中古車市場では高値で取り引きされている。

画像: 平成のスポーツカーたちは、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成のスポーツカーたちは、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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