新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介していこう。今回は、マツダがユーノス・ブランドで発表したコスモだ。

トリプルREとツインターボで国内最強のパワーと低振動を実現

「ユーノス・コスモ(JCESE型:1990年3月発売)」

画像: 全長は4.8mを超え、全幅も1.8m近くと、当時としてはかなり大柄なクーペだった。

全長は4.8mを超え、全幅も1.8m近くと、当時としてはかなり大柄なクーペだった。

1967年に世界初の実用・量産ロータリーエンジン(以下、RE)搭載車として登場したマツダのコスモスポーツ。

1990年4月に発表された4代目のJC型は、当時マツダが販売チャンネルの拡大を図っており、そのひとつであったユーノス店のフラッグシップという存在だったことから、車名も「ユーノス・コスモ」と呼ばれた。

画像: ハウジングは13B型と同じだが世界初の3ローターREは圧倒的なスムーズさを誇る。ミッションは4速ATのみの設定だった。

ハウジングは13B型と同じだが世界初の3ローターREは圧倒的なスムーズさを誇る。ミッションは4速ATのみの設定だった。

ユーノス・コスモの最大の特徴は、量産車として世界初の3ローターRE搭載車として登場したことだ。3ローターの20B型はシーケンシャルツインターボを装着して、国内最強の280ps/41.0kgmを発生した。

トランスミッションは4速ATのみの設定だったが、モーターマガジン誌のテストでは最高速度254.6km/h、0-400m加速14.1秒の快速ぶりを見せ付けた。その一方で燃費の悪さが指摘されたが、レシプロのV12エンジンに勝るスムーズな回転を評価する声も多かった。

画像: ウッドパネルをあしらったキャビンは高級GTの名に恥じない質感を備える。カーナビやタッチパネル式エアコン操作も先進的だ。

ウッドパネルをあしらったキャビンは高級GTの名に恥じない質感を備える。カーナビやタッチパネル式エアコン操作も先進的だ。

歴代コスモのアイデンティティともいえるロングノーズ・ショートデッキのトラディショナルな2ドアクーペスタイルは当時としても大柄なサイズで、スポーツカーというよりはGTカー的な性格のモデルであった。

ユーノス店のフラッグシップ・クーペにふさわしく、インテリアも本革やウッドパネルを多用して高級感にあふれたものとなっていた。

また、装備では世界初のGPS機能を持つ移動体通信システム(現在のカーナビのルーツ)を採用して、先進性をアピールしている。

画像: 囲まれ感のある独特のインテリアは、本革やウッドパネルを多用。後席はセパレートで定員4名だった。

囲まれ感のある独特のインテリアは、本革やウッドパネルを多用。後席はセパレートで定員4名だった。

ユーノス・コスモ タイプS(1990年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4815×1795×1305mm
●ホイールベース:2750mm
●重量:1590kg
●エンジン型式・種類:20B-REW型・3ローター ツインターボ
●排気量:653cc×3
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:41.0kgm/3000rpm
●トランスミッション:4速AT
●タイヤサイズ:225/50R16
●価格:420万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

This article is a sponsored article by
''.