新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを、図鑑風に紹介していこう。今回は、新世代スカイラインGT-Rの2代目、R33型日産 スカイラインGT-Rだ。

名車R32後継のプレッシャーをはねのけ、トルクアップに加えシャシも洗練

「日産 スカイラインGT-R(BCNR33型:1995年1月発売)」

画像: 先代のR32GT-Rよリサイズはひとまわり以上大きくなったが、走りに対するこだわりはかわっていない。

先代のR32GT-Rよリサイズはひとまわり以上大きくなったが、走りに対するこだわりはかわっていない。

1989年に衝撃的なデビューを飾り、名車としての地位を築き上げたR32スカイラインGT-R。その後を継ぐカタチで95年に登場したのがR33スカイラインGT-Rだ。

R32に比較して全長で130mm、全幅で25mm、ホイールベースで105mm大型化したことに賛否はあったが、走りへのこだわりは徹底していた。

パワートレーンは2.6Lの直6DOHCツインターボ、RB26DETT型。最高出力はR32と同じく280psだが、過給圧アップなどで最大トルクは36.0kgmから37.5kgmへとアップしている。

インタークーラーがインナーフィン式になり冷却性能もアップした。パワーはアテーサE-TSを通じて4輪に自在に配分される。

画像: 過給圧を0.82barにアップしてトルクを太くした。ECUはR32の8ビットから16ビットに変更してエンジンを綿密に制御。

過給圧を0.82barにアップしてトルクを太くした。ECUはR32の8ビットから16ビットに変更してエンジンを綿密に制御。

サスペンションは4輪マルチリンクだが、R32からの変更点としてフロントのアッパー側をAアーム式にするなどの改良も行われている。

ボディは大型化したが、軽量化も徹底された。剛性感を向上させつつ、ボンネットやフロントフェンダーをアルミ化し、樹脂製燃料タンクも採用された。

画像: タコメーターは6時の位置が0指針となる。GT-Rエンブレムは照明付き。ステアリングはSRSエアバッグを内蔵している。

タコメーターは6時の位置が0指針となる。GT-Rエンブレムは照明付き。ステアリングはSRSエアバッグを内蔵している。

同時に発売されたVスペックでは、サスペンションをハードにし、タイヤはブリヂストンのエクスペディア S-07を履く。またリアにアクティブLSDが装着されたアテーサE-TS PROを装備していた。

R33GT-Rはモータースポーツでも活躍。1995年には全日本GT選手権のドライバーズタイトルを、98年にはシリーズタイトルを獲得した。また、R33をベースにした「日産 NISMO GT-R LM」というスペシャルマシンを製作し、95年のル・マン24時間レースにも参戦している。

画像: リアウイングは4段階の角度調整式となっている。デュアル出しのマフラーはステンレス製で、出口は80×60mmの楕円形状。

リアウイングは4段階の角度調整式となっている。デュアル出しのマフラーはステンレス製で、出口は80×60mmの楕円形状。

スカイラインGT-R Vスペック(1995年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4675×1780×1360mm
●ホイールベース:2720mm
●重量:1540kg
●エンジン型式・種類:RB26DETT型・直6 DOHCツインターボ
●排気量:2568cc
●最高出力:280ps/6800rpm
●最大トルク:37.5kgm/4400rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:245/45ZR17
●価格:529万円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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