なんと3種類もの4WDシステムを用意するトヨタ RAV4
1994年に、今に繋がるSUVブームの先駆けとなって発売されたのが初代RAV4だ。背面にスペアタイヤを装着した5ナンバーサイズの“おしゃれクロカン風SUV”として大人気モデルとなった。
その後、2000年には2代目が登場、そして2005年に3代目が発売、2016年まで売られていた。しかし実はその間、4世代目もデビューしていたのだが、それは日本には導入されなかった。そんなRAV4が久し振りに帰ってきた。
新型RAV4の特徴は、ダイナミックトルクベクタリングAWD(アドベンチャ-、G“Zパッケージ”)、ダイナミックコントロール4WD(G、X[4WD車])、 E-Four(ハイブリッドE-Four装着車)という3種類もの4WDシステムを採用し、グレードごとに使い分けていることだ。
なかでもトルクベクタリングAWDは、RAV4のために開発されたもので前後配分50:50に加え、走行状況に応じて後輪の左右も独立して0:100~100:0のトルク制御ができるというものだ。また4輪にトルクが必要ないと判断したときには、後輪への動力伝達を遮断する「ディスコネクト機構」も備え、燃費性能を向上させている。
試乗は、ハイブリッドGで行った。ダイナミックコントロール4WDシステム搭載車だ。このシステムは、前後左右とも50:50のトルク配分が行われる駆動システムで、通常時はFFだが、必要に応じて後輪にもトルクを配分するというもの。パワートレーンは2L直4エンジンにCVTが組み合わされる。
乗り込むとSUVなのだから運転席からの見晴らしがいいのは当然だが、サイドやリアの視界もいいということに気がつく。そして走り出すと実に軽快なフットワークが味わえる。コーナリング時も安定しているので安心感があるが、それ以上に好印象だったのは室内の静粛性だ。騒音、振動などが見事に押さえ込まれているしボディ剛性の高さも感じられた。
肝心の4WD性能については、今回オフロードでの試乗ができなかったためレポートすることができないが、これならそんな場所に踏み入ってもいいかな、と思わせる雰囲気は持っていた。(文:千葉知充/写真:村西一海)