ランサーエボリューションとともに、WRC競走用ベースマシンにして公道最速を目指した究極のロードカー、スバル・インプレッサWRX STIの系譜を紹介してきた。最終回はインプレッサの名が外れた、現行型のWRX STIだ。(ホリデーオート2019年5月号より)

インプレッサの名を外して独立した、世界最速レベルのAWDスポーツカー

「WRX STI(VAB型:2014年8月発表)」

画像: 初期型では標準装備だった大型リアウイングは現在はオプション。代わりにトランクスポイラーが標準装備される。

初期型では標準装備だった大型リアウイングは現在はオプション。代わりにトランクスポイラーが標準装備される。

インプレッサのトップモデルとして長年に渡り君臨してきたWRX STIだったが、2014年8月に登場したVAB型はインプレッサの名が外れ「WRX STI」として独立した車種となった。またボディ形状は5ドアハッチバックは廃止され、4ドアセダンのみとなった。

画像: エンジンは歴代インプレッサWRXに使われてきたEJ20型。たび重なる改良の末、最高出力308psと最大トルク422Nmに到達。

エンジンは歴代インプレッサWRXに使われてきたEJ20型。たび重なる改良の末、最高出力308psと最大トルク422Nmに到達。

エンジンは最高出力308ps、最大トルク43.0kgmを発生するEJ20型を搭載。これに6速MTが組み合わされる。

足回りにはWRX STI専用の倒立式フロントストラットサスペンションを踏襲し、サスペンションのジオメトリーの最適化と剛性アップも施された。また、ボディはねじり剛性を40%以上、曲げ剛性は30%以上も強化されている。

画像: 8000rpmからレッドゾーンの回転計、290km/hスケールの速度計を備え、赤の差し色が映えるインパネ。

8000rpmからレッドゾーンの回転計、290km/hスケールの速度計を備え、赤の差し色が映えるインパネ。

一方、4輪制御技術はインプレッサWRX STIの時代から使われ熟成が重ねられたマルチモードDCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)、マルチモードVDC(ビークル・ダイナミクス・コントロール)といった装備に加えて、アクティブトルクベクタリングも採用した。

これらの先進メカと前述の各部の剛性アップなどによってステアリング操作に対する反応が向上し、コーナリングの限界性能も高められた。

画像: シート地はアルカンターラ/本革のコンビネーション。電動式で快適性も重視したセミバケットシートとなっている。

シート地はアルカンターラ/本革のコンビネーション。電動式で快適性も重視したセミバケットシートとなっている。

なお、インプレッサWRX STIに設定されてきたAT仕様の「Aーライン」は廃止され、代わりにWRX S4がデビューした。ただし、こちらのメカニズムはWRX STIとは大きく異なる。

エンジンは直噴ターボのFA20型(300ps/40.8kgm)、トランスミッションはCVTとなっているなど、WRX STIよりもレヴォーグに近いメカ構成となっている。

画像: 最も走りに特化したタイプS。現行型では19インチ×8.5Jのアルミホイールに245/35R19のタイヤを履きこなす。

最も走りに特化したタイプS。現行型では19インチ×8.5Jのアルミホイールに245/35R19のタイヤを履きこなす。

WRX STI タイプS(2014年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4595×1795×1475mm
●ホイールベース:2650mm
●重量:1490kg
●エンジン型式・種類:EJ20型・水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:308ps(227kW)/6400rpm
●最大トルク:422Nm(43.0)kgm/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:245/40R18
●価格:379万800円

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