2019年8月に国内向けモデルの生産が終了するパジェロに特別装備を備えた限定車が登場。販売台数は700台のみとなっているので、さっそく岡本幸一郎レポーターの試乗レポートをお届けする。(ホリデーオート2019年7月号より)

旧さを感じる一方でパジェロならではの良さは今も健在

あぁ、ついにこのときが来てしまった。町でも砂漠でも一世を風靡したあのパジェロが販売終了なんて…。国内法規への対応が一部で困難となったため、2019年8月をもって国内向けの生産を終了するのだ(日本の法規が関係ない海外向けの生産は継続)。それを受けて発売されたのが、この限定車だ。

画像: マッドフラップやスペアタイヤカバーはファイナル エディション用のパッケージオプションの一部。

マッドフラップやスペアタイヤカバーはファイナル エディション用のパッケージオプションの一部。

内容は「エクシード」をベースに、本革シートと前席パワーシート、ルーフレール、電動サンルーフ、リアデフロック、サイド&カーテンエアバッグ、寒冷地仕様などを標準装備するほか、ディーラーオプションでリアデフレクター、メッキのスペアタイヤカバー、アルミプレート仕様のマッドフラップの3点パッケージを設定。

さらに成約特典として専用ロゴとシリアルナンバー入りのスカッフプレート、オリジナルウォッチ、ステッカーも付属する。

画像: カーナビはオプション。ステアリングは最新のSUVに比べると重いが、重厚感のあるフィールだ。

カーナビはオプション。ステアリングは最新のSUVに比べると重いが、重厚感のあるフィールだ。

雪上ではたびたび乗る機会はあったものの、筆者も舗装路でパジェロに乗るのは久しぶり。昔ながらのキーをひねると目覚める3.2Lの直4ディーゼルが伝えるにぎやかな音や振動もパジェロにとっては〝味〞のうち。力強い加速フィールも男気を感じさせる。

やや重めのステアリングや、ゆったりとした操縦性もパジェロならでは。先進安全運転支援装備の類いはなくても、思いのほか直進安定性に優れ、路面の影響を受けにくい。

高速巡行時のフラット感も高く、意外やハイウエイクルーザーの一面を持ち合わせていたことも印象的だった。今回は試していないが、厳しい環境で真価を発揮する悪路走破性の高さは言うまでもない。

これほどのクルマが約450万円というのは、かなり買い得感が高い。限定700台のうち5月末時点で既に約300台が売れたそうなので、欲しい人はうかうかしているわけにはいかない。

なんだかひとつの時代が終わる気がして実に寂しい限り。いつの日かパジェロのDNAを持つ新型車が出てくることに期待しつつ、この雄姿を目に焼き付けたのだった。(文:岡本幸一郎/写真:森 浩輔)

試乗記一覧

画像: エンジンは190ps/45.0kgmを発生する3.2Lディーゼルターボ。

エンジンは190ps/45.0kgmを発生する3.2Lディーゼルターボ。

パジェロ ファイナル エディション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4900×1875×1900mm
●ホイールベース:2780mm
●重量:2340kg
●エンジン型式・種類:4M41・直4DOHCディーゼルターボ
●排気量:3200cc
●最高出力:140kW[190ps]/3500rpm
●最大トルク:441Nm[45.0kgm]/2000rpm
●燃料・タンク容量:軽油・88L
●トランスミッション:5速AT
●タイヤサイズ:265/65R17
●税込み価格:453万600円

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