ランサー譲りの卓越した足にハッチバックの実用性
三菱 ランサー・セレステ 1600GSR:昭和50年(1975年)3月発売
セレステは、ランサーのメカニカルコンポーネンツを使ったファストバックのパーソナルクーペである。ギャランFTOに変わるクーペモデルとして昭和50年(1975年)3月に登場した。
正式な車名はランサー・セレステで、セレステとはラテン語で「青い空」を意味する。低公害時代ならではのネーミングといえるだろう。
ロングノーズのクリーンエアロ・スタイルと呼ばれるボディは、直線基調のシャープなラインで構成され、リアにはハッチゲートを装備している。リアクオーターピラーのルーバーはシースルーのスクープウインドーになっていて、これもひとつの売りだった。
エンジンは1400と1600があり、1400には4G33型4気筒OHC(92ps/12.5kgm)が搭載された。1600は4G32型と低公害MCA-IIBシステムを採用したG32A型の2種があり、最強モデルのGSR用は、2バレル ツインキャブで、最高出力は110ps/6700rpm、最大トルクは14.2kgm/4800rpmを発生した。
5速MTを介して、最高速度は170km/h(推定)をマークするなど、走りの実力も兄弟車のランサーに勝るとも劣らない。
セレステは三菱初のスペシャリティクーペの普及版と言われたが、1400/1600それぞれに4つ、計8種類のグレードがラインアップされ、初年度の年間販売台数は2万2000台以上をマークした。
1976年11月のマイナーチェンジでリアランプが横一直線のデザインとなり1600GTが追加されたが、1977年6月にこのGTに“システム80”というモデルが加えられた。これはその後のスペシャリティモデルによく見られたように、豪華なオーディオシステムが売りだった。
1978年2月には丸形ヘッドライトを角形に改め、1400はオリオンエンジンに換装されたが、人気は今ひとつだった。そして79年6月には排気量をアップした2000GTを投入する。G52B型エンジンは最高出力105ps/5400rpm、最大トルク16.5kgm/3500rpmの性能で、ブレーキも4輪ディスクを奢った。
ランサー譲りの卓越したフットワークを備えたパーソナルクーペが、セレステだ。
ランサー・セレステ 1600GSR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4115×1610×1340mm
●ホイールベース:2340mm
●重量:910kg
●エンジン型式・種類:4G32型・直4 SOHC
●排気量:1597cc
●最高出力:110ps/6700rpm
●最大トルク:14.2kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/70HR13
●価格:96万7000円