コンパクトなハッチバックに190psのパワー!
カローラFXのノーマルエンジンスペックは最高出力130ps/最大トルク15.2kgmというもの。グループA仕様のミノルタ トムス カローラFXの場合、規定に則ってチューニングすることにより、最高出力190ps/最大トルク18kgmまで強化された。
駆動系はTRDのLSDとボーグ&ベッグのシングルプレートクラッチを採用し、強化されたパワーを前輪から路面に伝えていた。
サスペンションはフロント/リアともにストラット形式の四輪独立懸架だ。ミノルタ トムス カローラFXでは、ショックアブソーバーはTRDの減衰力調整タイプを採用し、スプリングレートはフロント/16kg、リア14kgに設定。ブレーキは、フロントに4ポットキャリパーのベンチレーテッドディスクを備えていたが、リアはスタンダードのままだ。
特別ハイパワーにエンジンチューニングをされているわけではないが、4独のサスペンションと820kgという軽量ボディということもあり、けっこうな動力性能と、高いコーナリング性能をもったバランスの良いマシンとなっていた。
1986年のインターTECでは、直接のライバル(ディビジョン1:1600cc以下クラス)は同じトヨタのAE82とホンダのシビックだ。この年は、ミノルタ トムス カローラFX(関谷正徳/鈴木利男組)とアドバンカローラFX(鈴木恵一/岡田秀樹組)。そして無限シビックSi(中子修/佐藤浩二組)の三つ巴の様相となった。
予選はミノルタ トムス カローラFXが20位で、19位の無限シビック Siの後塵を拝する。決勝では予選で26位と出遅れたアドバン カローラFXが着実にポジションアップしていった。ミノルタ トムス カローラFXはペースが上がらずに、レース序盤の65周でエンジントラブルによりリタイア。ライバルのシビックも102周でスタータートラブルでリタイアとなる。
結果、最後まで安定した速さを見せたアドバン カローラFXが総合9位まで順位を上げ、ディビジョン1優勝を成し遂げた。ちなみにこの年はAE86も12台の大量エントリーとなったが、速さではFFのカローラFXに一歩譲るカタチとなった。