去る2019年12月4日、トヨタ自動車は公式ツイッターにてウワサのヤリスGR-4(プロトタイプ)の最終テストの模様を動画で公開。併せてGAZOO Racingの公式Youtubeチャンネルにも、同じ動画がアップされた。WRCへの投入を予感させる、ラリー用パーツで身をかためたヤリスGR-4(GR Yaris)の真実とは? Webモーターマガジンの独自取材情報も交えて報告しよう。

動画に登場した3ドアのヤリス GR-4(GR Yaris)のポテンシャルとは

画像: フロントバンパーはGRシリーズでおなじみの縦型インテークを採用。それにしてもフェンダーの張り出しがスゴイ! 前幅は1800mmに迫る?

フロントバンパーはGRシリーズでおなじみの縦型インテークを採用。それにしてもフェンダーの張り出しがスゴイ! 前幅は1800mmに迫る?

「ノーマル・ヤリスのイメージを残しつつ専用のボディを採用することになるでしょう」と新型ヤリスの開発関係者はコメントしていたが、まさかここまでやるとは…。

2020年2月に発売される新型ヤリスは、欧州仕様も含めて全車5ドアボディになる。ところが公開されたヤリスGR-4は3ドア。走行性能の向上を第一に考えたワイドボディまでは予想できたが、まさか3ドアになるとは。前出の開発関係者は「昔の(WRC)ホモロゲーションモデルのようなクルマを作るつもりで開発しています」「外観以外はほぼ専用開発」と語っていたが、その言葉どおりノーマルのヤリスとは別物のクルマであることが動画を見れば一目瞭然だ。

画像: 動画に登場するのはモリゾウこと豊田章男社長だ。「このクルマは、そんなクルマオタクの僕が持っているワイルドな一面を引き出してくれるんだ!」と熱く語る。

動画に登場するのはモリゾウこと豊田章男社長だ。「このクルマは、そんなクルマオタクの僕が持っているワイルドな一面を引き出してくれるんだ!」と熱く語る。

公開された動画のドライバーは、トヨタのマスタードライバーでもあるモリゾウこと豊田章男社長である。「ガソリン臭さやエンジンのうなりが、たまらない」「このクルマは、そんなクルマオタクの僕が持っているワイルドな一面を引き出してくれるんだ!」というモリゾウ選手の心の叫びが、ヤリスGR-4に込められたとてつもないポテンシャルをほのめかす。

では、その期待感にあふれる走りをとらえた動画をご覧いただきたい。

画像: Morizo put GR Yaris to its final test.(日本語字幕付き) youtu.be

Morizo put GR Yaris to its final test.(日本語字幕付き)

youtu.be

ヤリス GR-4のエンジン最高出力は驚愕の270ps。予想価格は370万円前後か

さて、ここからは編集部の調べによる独自情報である。

ノーマルヤリスと共用するのはTNGA-Bプラットフォームと灯火類、内装パネル類など。あとは専用パーツで固められ、ノーマルと共用するプラットフォーム本体も、ホイールベースの短縮や大幅な補強など事実上の専用開発と考えて良いだろう。

数々の専用開発の中でまずは注目したいのは、1.6Lの直噴ターボエンジン。現在のWRカーは同じ排気量の4気筒エンジンだが、ヤリスGR-4では3気筒となる。最高出力は270ps前後、最大トルクは350Nmに落ち着きそうだ。ちなみにTNGA-Bプラットフォームは3気筒エンジンに特化した設計となっている。

駆動方式は、動画を見てわかるとおり4WDだ。発進加速する際にリアタイヤにグッと荷重がかかる様子をカメラが鮮明にとらえられている。

サスペンション形式は、フロントがストラットでリアがダブルウイッシュボーン。各パーツは270ps/350Nmの高出力と大トルクに対応する専用設計で、ふたクラス上の車両に使われるパーツをベースに、さらに強化して採用しているらしい。

ドライブトレーンも専用品だ。ドライブシャフトやプロペラシャフトも、大型SUVに採用されるものと同等以上の強度が与えられている。

4WDシステムには、RAV4で初採用された「ダイナミックトルクベクタリングAWD」をさらにスポーティにアレンジして搭載。後輪に伝えられたトルクを、コーナリング時に0〜50%まで連続可変することによって、オンロードからオフロードまで抜群の旋回性能を味わわせてくれる。トヨタが他社との協業ではなく独自に作り上げたヤリスGR-4は、まさに渾身のスポーツカーなのである。

プロトタイプの公開は2020年1月10日から開催される東京オートサロン会場にて。車両価格の発表は2月以降になる見込みだが、同時に事前予約が開始される。従来のGRMNと異なり限定車ではない。納車が始まるのは8月以降になるだろう。編集部の予想価格は370万円前後だが、さらに廉価な競技ベース車も設定される可能性もある。また、ベース車には現行型同様、GRスポーツとGRが設定されるが、こちらは1.5LのNAエンジンを搭載する。

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