ワークスチューニング 試乗会(後編:2001年)
STi インプレッサ
スバル インプレッサWRX STiをベースに、スポーツパーツを組み込んだアーバンバージョン。都会派志向のチューニングカーということでエンジン本体に手は入れられていないが、軽量フライホイール、強化クラッチ(踏力は割りと重め)、スポーツマフラーなどのライトチューンを施したモデルだが、それでもフラット4ターボは十分に速い。箱根のタイトなワインディングでは、エンジン回転数が4500rpmを超えターボパワーがイッキに立ち上がる頃には次のコーナーにさしかかってしまうほどだ。フラット4独特のサウンドも小気味良いもので、スバリストにはたまらない1台だろう。
無限 アコード ユーロR
今回ここで紹介している他のチューナーでは、ベース車はターボエンジン搭載車が多いが、このアコード ユーロRは自然吸気のまま吸排気系や足まわりをチューンしている。6000rpmでサウンドまで明確に変わるVTECは独特で、これぞホンダ ミュージックという快音を奏でてくれる。足まわりは箱根を走り回るにはちょうど良い固さでありながら、市街地走行でも問題ないレベルにある。ノーマルでは地味な印象のアコードだがエアロパーツは適度にハデめで、インテリアも240km/hホワイトメーターやアルミのメーターパネルなどを装備して、無限らしいレーシーな雰囲気でまとめられている。
NISMO スカイラインGT-R
ノーマルでも十分以上に速いスカイラインGT-Rだが、サスペンション、ブレーキ、排気系を交換し、サーキット走行を想定したセッティングがされている。R34はもともとボディ剛性が高く、固められたサスでもボディへの影響は低いようだ。ブレーキの効きもいい。だが、このクルマでは箱根のツイスティな道よりはFISCOなどの高速サーキットを全開で走る方が楽しそうだ。もちろんパワー的な不満などまったくないのだが、スロットルオフ時に「バンバン!」とバックファイアのようなサウンドが響くのは、乗っていてちょっと気が引けてしまうところだ。
NISMO シーマ
新型シーマにS-tuneのサスペンションとブレーキ、ヴェルディナのマフラー、そして18インチのタイヤ & ホイールを装着。車高を低められたエクステリアには純正の前後スポイラーも装着しているが、インテリアはまったくのノーマルなので、シーマの上品なイメージを損ねてはいない。足回りのセッティングはまだ完成形には至ってないようで、今ひとつシックリとは来なかった。ノーズに重いV8を抱え、シフトショックを減らすためレスポンスを甘くしているATのせいもあり、箱根のワインディングを攻めるようなクルマではない。やはりシーマはハイウエイ クルーザーのほうがよく似合う。