2020年7月16日、マセラティは史上初の電動化モデル「ギブリ ハイブリッド」をオンラインで発表した。日本仕様は2021年の第1四半期に生産が開始される予定だ。

48Vマイルドハイブリッドと直4エンジンの組合せ

画像: フェンダーのアウトレットやブレーキキャリパーにもブルーのアクセントが入る。

フェンダーのアウトレットやブレーキキャリパーにもブルーのアクセントが入る。

ギブリ ハイブリッドはV6エンジンを搭載する現行型ギブリのモノコックとシャシをベースに、減速時にスムーズに充電を行う48Vハイブリッドシステムと、直列4気筒の2Lエンジンを組み合わせている。ハイブリッドシステムは、BSG(ベルトドリブン スターター ジェネレーター)、バッテリー、eブースター(電動コンプレッサー)、DC/DCコンバーターという4つの要素で構成されている。

BSGにはオルタネーターの機能があり、ブレーキや減速した際のエネルギーを電力に変え、トランク内のバッテリーを充電する。このバッテリーは、エンジンに備え付けられたeブースターに給電する。電動コンプレッサーを用いるのは、従来のターボチャージャーと連動させることで、低回転時のエンジン出力を支援し、ターボチャージャーをより有効に機能させるためだ。このシステムにより、必要に応じていつでもバッテリーまたはBSGを通じてeブースターを動かすことが可能だ。

このシステムは、スポーツモードではブースト圧を抑えて最大出力を発生し、ノーマルモードでは燃費効率とパフォーマンスのバランスを最適化する。V6エンジン搭載車より軽量で、後方にバッテリーを配置することで最適な重量配分も実現している。システム的には、いわゆるストロングハイブリッドではなくマイルドハイブリッドにあたるだろう。

直4エンジンはFCAグループのマルチエア由来だが、マセラティ社で内部部品まで徹底して見直されている。V6ディーゼルよりもCO2の排出量は少なく、V6ガソリンより20%以上も好燃費で、同レベルのパフォーマンスを維持している。欧州市場ではディーゼル車に代わる有力モデルとして登場する。ミッションは、ZF製の8速ATが組み合わされる。公称の最高速度は255km/h、0→100km/h加速は5.7秒。

画像: センターダッシュのタッチスクリーンもフレームレスの10.1インチにサイズアップしている。

センターダッシュのタッチスクリーンもフレームレスの10.1インチにサイズアップしている。

エクステリアでは、フロントフェンダーのサイド エアベントのアウトラインや、ブレンボ製のブレーキキャリパー、そしてCピラーに配されたトライデントのエンブレムに、クリーンなクルマの象徴であるブルーのアクセントが入れられている。

インテリアでは、シフトレバーのデザインが新しくなり、その手前にはオーディオなどの操作ができるアルミニウム製のダイヤル式ロータリー コントロールが備わる。12ウエイ電動アジャストのレザー製スポーツシート、アルミニウム製パドルシフトを備えたステアリング、スチール製ペダルなどのラグジュアリーなアイテムは、従来のギブリ同様に標準装備されている。

また、アマゾン アレクサによる音声認識システムを導入し、新世代マルチメディアシステムのMIA(マセラティ インテリジェント アシスタント)も搭載されている。センターダッシュのディスプレイもフレームレスの10.1インチにサイズアップしている。マセラティ コネクトを通じて、スマホにも接続が可能だ。

MSP(マセラティ スタビリティ プログラム)に導入されたIVC(車両統合制御システム)機能により、アクティブセーフティとドライビングダイナミクスは向上した。また、オプションとなっている、アクティブ機能を揃えたADAS(先進運転支援システム)は、自動運転レベル2のテクノロジーも備えている。

今回発表された内容は欧州仕様のものだが、日本仕様も基本的には変わらないものと思われる。日本仕様の生産は、2021年の第1四半期に開始される予定。マセラティ初のハイブリッドのパフォーマンスに期待がかかる。

画像: ハイブリッドといえどもエキゾーストサウンドもチューンされているという。

ハイブリッドといえどもエキゾーストサウンドもチューンされているという。

■マセラティ ギブリ ハイブリッド(欧州仕様) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4971×1945×1461mm
●ホイールベース:2998mm
●車重:1878kg
●パワートレーン:直4・4バルブDOHCターボ+48V BSG
●エンジン排気量:1998cc
●最高出力:330hp/5750rpm
●最大トルク:450Nm/4000rpm
●ミッション:8速AT
●タイヤサイズ:235/50R18

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