新たな「高級クロスオーバーSUV」の世界を切り開く新型ハリアー。あらゆるシーンで洗練された持ち味を実感させてくれた。(Motor Magazine 2020年9月号より)

存在感を主張するワイド&ローフォルム

2020年6月に3回目のフルモデルチェンジを果たした、トヨタ ハリアー。もともと「大人の都会派SUV」としての上級志向が魅力のひとつではあったのだが、4代目のクオリティの高さと存在感の強さの伸びしろは、図抜けている。

とくにデザイン面でのグレードアップぶりには、目を見張るものがある。たとえばエクステリア。従来もシャープなシルエットはとてもスポーティな印象ではあった。だが、全体的にはやや平板感が感じられサイズなりの迫力がうまく伝わってこなかったように思う。

対する新型では、フェンダーまわりを中心にマッシブな張り出し感がプラスされ、ひときわ有機的な逞しさを見るものに感じさせる。先代に対して全幅はわずかに広く、全高が低いが、数値以上にワイド&ローな佇まいに生まれ変わった。

発光部が横一線に配されたテールランプのアレンジには、欧州スポーツ系ブランドにも共通する最新のデザイントレンドが感じられる。ハリアーらしさを大切にしながらも、グローバルモデルとしての格上感をしっかり表現しているのだ。

画像: ピュアガソリンモデルにはダイレクト シフトCVTを採用。エンジン回転の伸びとトルクの高まりが、絶妙にシンクロする。

ピュアガソリンモデルにはダイレクト シフトCVTを採用。エンジン回転の伸びとトルクの高まりが、絶妙にシンクロする。

対するインテリアでも、SUVらしい骨太感と上級モデルとしての高い質感、華やかさといった要素を巧みに融合させている。「馬の鞍」をイメージしたという太いセンターコンソールなどは、洗練された力強さを非常に雄弁にアピールするパートのひとつだ。

装備系で注目しておきたいのが、新しい機能が付加されたデジタルインナーミラー。後方のクリアな視界を確保するとともに前後カメラが捉えた走行中の画像を常時録画してくれる。

エンジンバリエーションは2タイプ。2L直4ガソリンと、2.5L直4ユニットにリダクション機構付きTHSIIをプラスしたハイブリッドモデルが設定される。それぞれにFFと4WDが選択可能だ。

その中から今回は、ピュアガソリン仕様のFFモデルとE-Fourを装備したハイブリッドを横浜周辺で試した。どちらも際立って刺激的な速さこそ感じられないものの、制振材、吸音材など遮音性を高める工夫のおかげで、NVH全般が改善されている。

合わせて「目線の安定」をテーマに最適化された減衰力制御が生み出す感覚的なしなやかさを演出。上級SUVとしてグローバルに通用する、洗練された走り味を実現している。(文:神原 久)

画像: 歩行者、自転車運転者も検知するToyota Safety Senseを装備。

歩行者、自転車運転者も検知するToyota Safety Senseを装備。

■トヨタ ハリアーZハイブリッドE-Four主要諸元

●全長×全幅×全高=4740×1855×1660mm
●ホイールベース=2690mm
●車両重量=1740kg
●エンジン= V4DOHC
●総排気量=2487cc
●最高出力=178ps/5700rpm
●最大トルク=221Nm/3600-5200rpm
●モーター最高出力前/後=120/54ps
●モーター最大トルク前/後=202/121Nm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=電気式無段変速機
●車両価格(税込)=474万円

This article is a sponsored article by
''.