2016年に登場したアウディQ2はプレミアムコンパクトSUVとして人気を得て、この4年間で36万台を出荷するほどの成功を収めた。このQ2がフェイスリフトを受け、ドイツのフランクフルト空港を起点にプレス試乗会が開催された。(Motor Magazine 2020年12月号より)

ワインディングロードでは優れたハンドリングを披露

さて、与えられた試乗車は残念ながら日本へは導入される計画のないTDIのクワトロ(4WD)モデルだった。しかし、搭載される2Lディーゼルターボと7速DCT(Sトロニック)の組み合わせは思いのほか素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。150psと360Nmのスペックは、カタログによれば1570kgのコンパクトSUVをスタートから100km/hまで8.2秒で加速、最高速度は218km/hに到達させる。

これまでパワフルなモデルばかり試乗してきたので、この数字を見てちょっと心配になったが、北へ向かうアウトバーン上では交通へまったく問題なく流れこみ、その後150〜160km/hで堂々と巡航を続けることができた。ディーゼルエンジンのノイズは確かに高くなるが、一方でCd値0.31とクラスナンバー1の空力特性を持つQ2のボディからは、とくに大きく気になる風切り音は発生しなかった。

やがてプログラムで指定されたルートどおり、アウトバーンを下りてタウナス山地のワインディングロードへ向かう。ここには真っ平らなドイツ中部では珍しい標高878mのグローセン・フェルドベルグがあり、その周辺はオペルなど近隣の自動車メーカーがロードテストに使用するワインディングロードが連続している。

ここでQ2TDIはコンパクトなサイズと低回転から湧き上がる十分なディーゼル特有のトルク、そしてクワトロシステムのトラクション性能を生かしてグイグイと登坂して行く。下りでは車重の軽さが幸いし、路面情報を正確に伝え、ダイレクトに反応するステアリングシステム、そして素晴らしいロードホールディングを見せるスポーツシャシとコントロール性と優れた制動力を持つブレーキで、大排気量車を追い回すことも可能だった。

Q2はアウディ社の製品でもっとも小さなモデルであるが、その性能と品質、加えて安全性は同社のビッグブラザーたちに勝るとも劣らない存在だった。(文:アレキサンダー・オーステルン<キムラ・オフィス>)

画像: パワートレーンは2L直4ディーゼルターボの35 TDI(写真)と1.5L直4ガソリンターボの2機種。

パワートレーンは2L直4ディーゼルターボの35 TDI(写真)と1.5L直4ガソリンターボの2機種。

■アウディQ2 35TDI クワトロ 主要諸元

●全長×全幅×全高=4208×1794×1537mm
●ホイールベース=2601mm
●車両重量=1570g
●エンジン= 直4DOHCディーゼルターボ
●総排気量=1968cc
●最高出力=150ps/3000-4200rpm
●最大トルク=360Nm/1600-2750rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=7速DCT(Sトロニック)

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