SUV市場が盛り上がる一方で、ドイツではいまだにワゴンの人気は高い。なかでもゴルフベースの「ヴァリアント」は、手ごろなサイズと実用性、そしてブランドが持つ高い信頼性によって支持され続けている。もちろん新型も、期待どおりの素晴らしい仕上がりだった。(Motor Magazine2021年1月号より)

快適かつ軽快な乗り味。日常もレジャーも心地いい

試乗コースはフォルクスワーゲン本社があるウォルフスブルグ周辺の一般道路と、アウトバーンを含むおよそ400kmのコース。目の前に並ぶデジタルコックピットはすでにハッチバックで見慣れたものだ。8.5インチディスプレイのタッチ&スライド操作は、一度覚えれば間違いなくメカニカルスイッチよりは素早く確実。背後を振り向くと、リアシートの後方さらに実用的な荷室が広がる。

ヴァリアントのeTSI空車重量は1542kgとベースモデルよりもおよそ150kg重いが、ドライバーがひとりで乗っているぶんには動力性能の差はまったく感じられない。反対におよそ100km/h前後でエンジンがカットオフされたコースティング中などでは、身軽ささえ感じられた。これは新型ヴァリアントの前面投影面積が2.21平方メーターと小さいことで、空力特性(Cd値)が0.3から0.275へと改善されたことによるものだということが、後に行われたエンジニアとのリモートカンフェレンスで判明した。

アウトバーン上では、前述のエンジン停止のほかに負荷が低い走行中にはCOD(シリンダー オン デマンド)、すなわち2本のシリンダーを休止して燃費を稼いでいる。もっともそれはどんなにドライバーが注意していても、気づかないうちに行われている。カタログ上ではテスト車のCO2排出量は133g/km、燃費は100kmあたりの消費燃料はわずか4Lだ。リッターあたりで換算すれば、約25kmとなる。

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