2008年、BMW M3カブリオレが注目のDKG(デュアルクラッチトランスミッション)とともに登場している。この後、M3クーぺやM3セダンへの搭載が予定されていたDKGは、M3にどんな走りをもたらしたのか。Motor Magazine誌では、M3カブリオレの走りとともに、DKGの真価を探っている。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年7月号より)

その走りの実力をさらに向上させるDKG

さて、そんなDKGを搭載して、BMW製品をベースにハイパフォーマンスモデルをプロデュースするBMW M社から送り出される最新モデルが、今回紹介するM3カブリオレである。

これまでM社では、SMGと呼ばれる7速AMTを、M5やM6に搭載してきた。しかしこのシングルクラッチシステムのトランスミッションは、シフト時に多少ショックが伴い、同時にローンチコントロールというスポーティなスタートを頻繁に行うと、クラッチが磨耗して滑り出すという問題が発生していた。そこでこうした問題の少ないデュアルクラッチ方式が待ち望まれていたのである。

さてこのM3カブリオレだが、スタンダードの3シリーズカブリオレとは、もちろん外観からも区別されている。まずフロントではV8のインテークシステムをクリアするために、パワードームと名づけられた中央の盛り上がったアルミ製ボンネット、そして開口部の大きな中央下側のエアインテークなどが目にとまる。サイドに回るとフロントフェンダー後方にはエラのような部分にM3ロゴを持ったエンブレム、また後方ではディフュザー風のリアフィニッシャーから突き出た4本のエグゾーストパイプなどのMアイコンでこのカブリオレの出生がわかる。

搭載されるエンジンは正確に3999ccの排気量を持つV8、最高出力は420ps/8300rpm、最大トルクは400Nm/3900rpmをそれぞれ発生する。

この数字は、M3クーペやM3セダンと同じだがカブリオレボディの装備空車重量(DIN)は1810kg、さらにDKGの分が20kg加わり、MTのM3クーペと比べると155kgの重量増加となる。その結果パワーウエイトレシオは4.3kg/psとクーペの3.8kg/psと比べると、明らかな重量ハンディが見られる。

それゆえにBMWの公式数字では0→100km/hまでの加速所要時間はM3クーペが4.6秒であるのに対して、DKGを搭載するM3カブリオレは5.1秒となっている。ちなみにMTを搭載したM3カブリオレは5.3秒でさらにコンマ2秒遅い。また最高速度はどのモデルも、リミッターによって250km/hに制限されている。

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