「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「トヨタ ランドクルーザー プラド」だ。
トヨタ ランドクルーザー プラド(2009年:4代目)
ランドクルーザー プラド(以下、プラド)は、高い悪路走破性を誇る本格4WDだ。今風の甘口SUVとはひと味違う。トヨタは、古くから使役車のランドクルーザーを作っており、この車名は世界的に通用するブランドだ。そんな血筋を継ぎつつ、乗用車としての快適性も追求した中型モデルが、新型の4代目プラドというわけだ。
4代目プラドの進化点は大きくふたつ。まずV6エンジンがデュアルVVT(可変バルブタイミング)化で27psプラスの276psにパワーアップされた。10・15モード燃費も8.2km/Lに向上した。レギュラーガソリン仕様になったことも朗報だ。
もうひとつは走破性に関する新装備群。トルセンLSD付きフルタイム4WDは従来どおりだが、走行状況に応じてスタビライザー解除をオートで行なうKDSSや、極低速走行を維持するクロールコントロールを新たに採用した。中でも目新しいのは、泥/砂、ガレキ、モーグル、岩など路面別にスロットルとトラクションコントロール特性を切り替えるマルチテレインセレクトだろう。
プラドのトランスファーを4Lにセットしてオフロードを走った感触は、最近の4WDはトラクションコントロールとブレーキのLSD効果が素晴らしいので、本当によく走るということ。「これは無理」と思うようなガレ場の急坂もしっかり登れるし、タイトル写真のようなかなり急な下り坂もクロールコントロールが一定速をキープしてくれる。こちらはハンドリングに専念していればいい。