短期連載「自動車博物館巡り」、今回は広島県福山市にある福山自動車時計博物館。ここには世界的にも現存する個体数が少ないと言われる希少なスポーツモデルが続々が展示される。しかもそのすべてに「乗り放題」だというから驚く。まさに大盤ぶるまい、なのだ。(後編/Motor Magazine2021年2月号より)

60年という歴史の中で磨かれ続けた美しきスポーツモデル

次なるフェアレディ(SR311)は1967年に先代のシャシを用い2Lでソレックス×2のSOHCを搭載して登場。145psと5速MTを手にして205km/hの最高速を実現する。国内のレースでは敵なしの活躍を見せ、北米市場のSRL311はイギリス勢と肩を並べることとなる。

そして1969年にロングノーズ・ショートデッキでクローズドボディとしたフェアレディZ(S30)がデビューする。北米仕様は2.4Lが搭載されダットサン240Zとして大人気となる。「ダッツン・ツーフォーティ・ズィー」はサファリラリーでの優勝をはじめモータースポーツでも大活躍し、ダットサン=高性能を世界に知らしめた。日本でも1971年にGノーズとオーバーフェンダーをまとった精悍な240ZGが追加され人気となる。

2021年には新型フェアレディZがデビュー予定。改めて60年と言う歴史の重みを感じざるを得ない。

■ダットサン フェアレディSPL213(DATSUN Fairlady SPL213)

画像: ダットサン フェアレディ SPL213のコクピット。速度計は140km/hまで刻まれる。

ダットサン フェアレディ SPL213のコクピット。速度計は140km/hまで刻まれる。

■ダットサン フェアレディSPL213
・モデル生産年:1961年
・主要諸元:全長4025×全幅1475×全高1380mm、ホイールベース2220mm
・エンジン種類:直列4気筒OHV 1189cc、最高出力55ps/4800rpm、最大トルク8.8kgm/3600rpm(参考値)
→ダットサン210をベースにした4座オープンとして1959年6月に登場したのがS211。前後リジッドサスのラダーフレームに、サイドウインドウなしのFRP製ボディを被せた2ドアオープン モデルだった。セダン比で約100kg軽く、1Lの直4 OHVで最高出力34psながら4速MTを介して最高速115km/hを実現。その発展型が1960年1月に登場のSPL212だ。L=左ハンドルが示すように輸出仕様で、同時にフェアレデー(後にフェアレディに)のサブネームが付くようになる。ボディはスチール製に、フロントサスはトーションビーム式独立に、そしてエンジンは1.2Lの45psに変更された。最高速は125km/hにアップ。そして10月のマイチェンでSPL213へ進化。館内で赤白2トーンボディで、ひときわ目立つのがフェアレディSPL213。60年前に日産が、北米市場を狙って開発した。

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