アウディ A3やBMW 1シリーズ、メルセデス・ベンツ Aクラスやフォルクスワーゲン ゴルフなどが属するCセグメント。高い実用性と優れたコストパフォーマンスでインポートカー市場の主役を担ったジャンルだが、SUV人気や電動化ブームの影響は大きい。ベンチマークたる新型ゴルフ導入に期待が高まる。(Motor Magazine2021年2月号より)
存在感を示したBMW2シリーズ グランクーペ
2019年月に本国で発表された新型8代目のフォルクスワーゲンゴルフがいまだに導入されず、それゆえいまひとつ話題に事欠いた印象も否めないのが、日本における2020年のCセグメントモデルたちだ。
そうした中にあっても、ひとり意気盛んなところを示したのはBMWだ。このところのプレミアムブランドの流儀に則った新型SUVが次々と追加される同社のモデルラインアップにあって、低い全高を与えられたサッシュレス 4ドアクーペモデル、という異色の存在として登場したBMWの新型2シリーズ グランクーペである。
従前からのFRレイアウトを採用するコンパクトな2ドアモデルに加えて、しばらく前にFFレイアウトを用いた、MINIシリーズとランニングコンポーネンツを共有するモノスペースモデル(2シリーズ アクティブツアラー/2シリーズ グランツアラー)も発表したことで、いまひとつイメージが絞り切れなくなっていた2シリーズに属するモデルたちだ。
しかしこのグランクーペの登場によって「スタイリッシュでありながら比較的コンパクトなサイズの、日本でも扱いやすいBMW車が2シリーズ」という印象は大きく増した。50対50という前後重量配分のFRレイアウトの持ち主、という長年の「しがらみ」から解放されながらも、BMWらしいスポーティネスを見事に表現した2シリーズ グランクーペは、BMWにとって単なるニューカマーという以上にエポックメイキングな製品でもあるといえる。